次の世代(Version 6)のインターネットプロトコル(Internet Protocol=IP。インターネットで情報を交換するための通信規約)。1981年に仕様が公開されたプロトコルであるIPv4は、アジア諸国のインターネット利用者の急増などにより、アドレス数の限界を迎えつつあり、またセキュリティ面などさまざま問題点が指摘されている。そうした問題を解決すべく開発され1998年に仕様が公開されたIPv6は、実質無制限のアドレスを割り当てることができるため、今後のネット利用者拡大に対応することができる。またIP放送やIPテレビ電話、IP電話、ネットワークゲーム、インスタントメッセンジャーなどの新しいP2Pアプリケーションの普及を牽引(けんいん)すると期待されている。
セキュリティ面においても品質は向上し、ユーザ認証、パケットの暗号化、なりすまし防止等が標準装備されているため、従来のようにSSL等で補完する必要がなくなる。また、ホストが自動的にIPアドレスとデフォルト経路を設定できるので、管理者の負担を減らすこともできる。
IPv6環境では、インターネットに接続している個々の機器がIPアドレスをもつため、ユーザーの特定や追跡が容易になる。このため通信の管理・監視がしやすい。だが一方で、特定アドレスの通信制限や検閲など言論統制につながるという懸念の声もある。
すでにIPv6は一部のインターネットサービスプロバイダ(ISP)により商用サービスが開始されており、NTT東日本、NTT西日本でも、一部フレッツ網で利用が始まっている。
まだ既存ネットワークとの互換性など、移行期に伴う問題は一部に残っているが、現状のインターネットの抱える問題を解決する有効なプロトコルとして、その普及に拍車がかかっているところである。
[編集部]
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