サロッド(読み)さろっど(英語表記)sarod

翻訳|sarod

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サロッド」の意味・わかりやすい解説

サロッド
さろっど
sarod

北インドのリュート型撥弦(はつげん)楽器。一木製で、全長約95~150センチメートル、金属製の指板がついた細長い棹(さお)と羊の皮を張った直径約30センチメートルの円形の胴をもつ。フレットはなく、胴と棹の境目には5センチメートルほどのくびれがある。棹の上部裏側にヒョウタンなどの共鳴器をつけることもある。現在では、主要弦8本、リズム、ドローン用のチカリ弦2本、共鳴弦15本。すべて金属製。主要弦8本のうち4本は主音と完全5度の関係に、残りはラーガ旋法)に従って調律する。音域は約3オクターブ。ほとんど真横に構え、小さな義甲象牙(ぞうげ)製など)で演奏する。本来は古典音楽の独奏楽器であったが、近年シタールなどとの協奏様式が発達した。西アジアのウードと深い関連があるといわれている。

[柴田典子]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サロッド」の意味・わかりやすい解説

サロッド
sarod

北インドの撥弦楽器アフガニスタンラバーブに似ている。羊皮を張った木製の胴に,金属板の指板をもつ。フレットはなく,義甲でもって演奏される。弦は金属性で,ドローンを含む主弦が7本と,11~12本の共鳴弦をもつ。棹の上部に共鳴球をもつものもある。旋律楽器で,おもに独奏される。

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