ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シグルドソン」の意味・わかりやすい解説
シグルドソン
Sigurdsson, Jón
[没]1879.12.7. コペンハーゲン
ヨウン・シグルドソン。アイスランドの学者,政治家。古期ノルド語(古期アイスランド語)によるサガや資料を多数収集・編集したほか,デンマークに対しアイスランドの自治を強く求める闘争を展開した。
アイスランド島西部で生まれる。コペンハーゲン大学で文献学や古代史,政治理論,経済学を学ぶ。同大学のアルナマグネア財団でアイスランドの古写本の収集と編集に多くの時間を費やし,『アイスランドのサガ』Íslendinga sögu(2巻。1843~47)や『アイスランド法令集』Lovsamling for Island(1853~57)を出版する。
デンマークの統治下にあったアイスランドの自治を要求し,1843年にアイスランドの議会アルシング Althing(あるいはアルシンギ Althingi)の復活に向けた議論に加わった。1845年には諮問議会として復活したアルシングの議員に選出され,その後議長に就任した。1854年にはアイスランドの自由貿易を唱え,地場の農業と漁業の近代化を主導。終生アイスランドの自治を主張し,1874年の独自財政と立法権の獲得に多大な影響を与えた。
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