シトラコン酸（読み）シトラコンサン

化学辞典 第2版

シトラコン酸
シトラコンサン
citraconic acid

C₅H₆O₄(130.10)．イタコン酸やメサコン酸の異性体．無水イタコン酸を加熱して無水シトラコン酸としたのち加水分解すると得られる．特有の臭気をもつ無色の潮解性針状結晶．融点90 ℃(分解)．K₁ 5.14×10^－3，K₂ 7.15×10^－7．水，メタノール，エーテルに易溶，ベンゼンに難溶．蒸留すると無水シトラコン酸になり，さらに180 ℃ に加熱するか，硝酸あるいは水酸化ナトリウムの作用でメサコン酸になる．また，ナトリウムアマルガムの作用でメチルコハク酸になる．[CAS 498-23-7]

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

シトラコン酸
シトラコンさん
citraconic acid

メチルマレイン酸ともいう。メサコン酸の異性体。イタコン酸から無水シトラコン酸を得て，これを加水分解する。融点 91℃ (分解) ，潮解性，水，アルコール，エーテルに易溶，蒸留によって無水シトラコン酸 (融点7℃) となる。 180℃に加熱するか，希硝酸またはアルカリの作用でメサコン酸になる。次の構造をもつ。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内のシトラコン酸の言及

【イタコン酸】より

…メチレンコハク酸ともいう。メサコン酸，シトラコン酸の異性体(図参照)。融点(分解)167～168℃，密度1.63，白色結晶。…

※「シトラコン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」