日本大百科全書(ニッポニカ) 「イタコン酸」の意味・わかりやすい解説
イタコン酸
いたこんさん
itaconic acid
脂肪族ジカルボン酸の一つ。天然には菌類の代謝物として得られる。工業的にもイタコン酸発酵を利用して製造する。菌としてアスペルギルス属の一群Aspergillus terreusを用いると、グルコースから60%程度の収率でイタコン酸が得られる。
水にかなり溶けるほか、エタノール(エチルアルコール)にも溶ける。重合により水溶性の樹脂が得られるので親水性の合成樹脂をつくる原料になる。ジエステルは熱可塑性樹脂、合成繊維などの原料となる。
[廣田 穰]
[補完資料] |