日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャンボール城館」の意味・わかりやすい解説
シャンボール城館
しゃんぼーるじょうかん
Château Chambord
フランス中部のロアール川流域にある16世紀の城館。狩猟の地として知られていたソローニュの森の中央に、フランソア1世の命でドメニコ・ダ・コルトーナが設計、1519年に起工され34年に完成。横幅156メートル、奥行117メートル、約400の部屋と70の階段をもち、屋根の上には多くの塔が立ち並び、中央の二重螺旋(らせん)階段はとくに有名。白い壁と緑の芝生の調和が美しく、フランス・ルネサンスの代表的城館建築の一つに数えられる。歴代の王によって使われ、モリエールはルイ14世のために『町人貴族』の初演をここで行った。現在は博物館となっている。この城館は1981年に世界遺産の文化遺産(世界文化遺産)として登録された。さらに2000年には「シュリー・シュル・ロアールとシャロンヌ間のロアール渓谷」が世界文化遺産に登録されたが、この城館も登録地域に含まれている。
[篠塚二三男]