日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュワーベの法則」の意味・わかりやすい解説
シュワーベの法則
しゅわーべのほうそく
Schwabe's law
所得が上昇するにつれて住居費の支出額は増大するが、その消費支出に占める比率はしだいに低下するという経験法則。ドイツの統計学者シュワーベHermann Schwabe(1828―?)がベルリンの家計調査に基づいて1868年に発表した。エンゲルの法則が消費支出に占める食料費の比率を定式化したのと対応しているが、その住居費が主として家賃であったこと、現在では家具什器(じゅうき)に対する支出額が大きくなっていること、さらには社宅、公営住宅、持ち家の普及等々、歴史的な住宅供給の変化、地域的事情、さらには人口動態の差異から、この法則が普遍的に成り立つとはいえなくなっている。
[一杉哲也]