人口動態(読み)ジンコウドウタイ(英語表記)dynamics of population
movements of population

デジタル大辞泉 「人口動態」の意味・読み・例文・類語

じんこう‐どうたい【人口動態】

一定期間中における人口変動の状態。出生死亡結婚移動などがその要因動態人口。

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精選版 日本国語大辞典 「人口動態」の意味・読み・例文・類語

じんこう‐どうたい【人口動態】

  1. 〘 名詞 〙 人口の大きさや構造の変動の状態。出生と死亡によって起こる人口変動の状態を自然動態、流入と流出によって起こる人口変動の状態を社会動態などと呼ぶ。
    1. [初出の実例]「人口動態等主要な統計調査」(出典:地方自治法(1947)二条)

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改訂新版 世界大百科事典 「人口動態」の意味・わかりやすい解説

人口動態 (じんこうどうたい)
dynamics of population
movements of population

人口変動の状態をいい,人口の大きさの変動と構造の変動が含まれる。したがって人口動態は,大きさを決定する要因である出生と死亡(両者の差が自然増加),流入と流出(両者の差が社会増加),および構造を決定する要因のうち,結婚,離婚傷害の発生および回復,職業または所属産業の転換等から構成されている。さらに,出生と死亡の中間にあるともいえる胎児死亡および死産も加えられる。これらの人口動態の要因の発生を,人口動態事件あるいは人口動態事象vital eventsといい,これが系統的に数量的に表現されたものを人口動態統計という。しかし,上記の要因のすべてが人口動態統計に表されているわけではない。とくに人口移動はそのデータの収集方法が他の動態事件とはまったく異なっており,また一般に,人口移動についての事実をとらえるための行政上の制度が確定されていないという問題点がある。また,疫病および傷害も特別の衛生統計や医療統計(〈患者調査〉や〈国民健康調査〉など)で扱われることが多い。したがって,たとえば日本の人口動態統計では,出生,死亡(乳児死亡を含む),死産,周産期死亡,婚姻,離婚に限定されている。人口動態統計は,ある期間に発生したものをまとめたものであるが,これに対するものに人口静態統計がある。国勢調査結果統計表がその代表的なものであるが,ある時点における人口の状態(人口静態),すなわち人口の大きさとか人口の自然的・社会的・経済的構造を示している。それはまた人口動態によって絶えず変化している人口の総合的結果の一つの瞬間映像であり,現実には存在しない一つの〈人工像〉といえよう。人口動態統計と人口静態統計の両者を人口統計という。
人口調査 →人口統計
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百科事典マイペディア 「人口動態」の意味・わかりやすい解説

人口動態【じんこうどうたい】

人口の大きさは,出生,死亡,流入,流出で絶えず変わり,また結婚,離婚でも内部構造が変わる。このような人口集団の変動を人口動態という。上記のような人口動態の要因を発生させる出来事を人口動態事件(または人口動態事象)と呼び,これらは多くの国で届出制度によって把握(はあく)され,人口動態統計(人口統計)の資料が得られる。ただし人口移動は,データ収集方法が他の人口動態事件と異なっており,制度的に確定されていない。→人口静態
→関連項目衛生統計

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流通用語辞典 「人口動態」の解説

人口動態

人間は、それぞれ人口という社会集団の中で生活しているのであるが、この人口は多くの要因によって常に変化しており、この変化の中でとらえられた人口を人口動態と呼ぶ。変化の要因は、出生・死亡による自然増減、転入・転出による社会増減、結婚・離婚による所属変化があり、これらは届出制度によって義務づけられているので、この変化をもとに人口動態統計が作成されている。販売資料としてみると、静態人口が市場の規模を推計する基礎数値であるのに対し、この人口動態は、人口の構造を示す基礎的資料となる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人口動態」の意味・わかりやすい解説

人口動態
じんこうどうたい
dynamics of population

ある一定期間内の人口変動。普通は1年間の出生と死亡,および流入・流出をさすが,その他,結婚,離婚,死産などの人口の自然的変動に関する統計を含めて人口動態統計と呼び,特定の時点でとらえられた人口 (分布,構造) を示す静態統計とともに人口統計の2つの柱をなす。人口の社会的変動をもたらす地域間相互の人口の動きも人口動態に含めることもある。人口動態はその地域の社会,経済的諸条件と密接な関係をもつので,その地域の諸特徴を示す一つの指標として利用されることがある。

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