日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シュワーベンシュピーゲル
しゅわーべんしゅぴーげる
Schwabenspiegel ドイツ語
中世ドイツの法書。13世紀後半、おそらくアウクスブルクで『ドイッチェンシュピーゲル』とよばれる法書が編纂(へんさん)された。これは、『ザクセンシュピーゲル』の高地ドイツ語訳を核に、南ドイツの法慣行にあわせて修正したものである。この法書は、その後も増訂が続けられ、初めは『ラント法ならびにレーン法の法書』とも『皇帝の法』ともよばれたが、17世紀以降『シュワーベンシュピーゲル』の呼称が一般化した。種々の法源や法体系の寄せ集めで一貫した体系性を欠くが、西南ドイツのその後の法書(『フランケンシュピーゲル』ほか)の基礎となり、17、18世紀の大法典編纂期に至るまで通用した。
[平城照介]