日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロオビアゲハ」の意味・わかりやすい解説
シロオビアゲハ
しろおびあげは / 白帯揚羽
common mormon
[学] Papilio polytes
昆虫綱鱗翅(りんし)目アゲハチョウ科に属するチョウ。日本では南西諸島に産し、喜界(きかい)島、奄美(あまみ)大島が分布の北限で、とくに喜界島、徳之島、沖永良部(おきのえらぶ)島、沖縄本島、石垣島などに多い。国外では台湾、中国南部からタイ、インド、スリランカにかけて分布する。はねの開張75ミリメートル内外。雄は後ろばねの中央に黄白色の斑紋(はんもん)が帯状に並び、シロオビアゲハの和名はこの特徴に基づく。雌には雄と同様な斑紋のものと、雄とまったく異なるベニモンアゲハ型の二つの型がある。多化性で、春から秋にかけて発生を繰り返し、各種の花に吸蜜(きゅうみつ)に訪れる。幼虫の食草は野生のサルカケミカン、植栽された各種のミカン類Citrusなどのミカン科の植物である。蛹(さなぎ)で越冬する。
[白水 隆]