ジャカルタ首都特別州(読み)ジャカルタ(英語表記)Jakarta

翻訳|Jakarta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャカルタ首都特別州」の意味・わかりやすい解説

ジャカルタ〔首都特別州〕
ジャカルタ
Jakarta

インドネシアの首都。ジャワ島北西部にあり,ジャカルタ湾に注ぐチリウン川下流の低平地を占める。年間を通じて温度,湿度が高く雨季にはしばしば氾濫に見舞われる。 16世紀にはパジャジャラン王国,次いでバンテン王国の商港として栄えたが,1619年オランダ東インド会社に占領され,バタビアと呼ばれて,東インド経営の根拠地とされた。 1949年インドネシア独立とともに首都となる。東西南北と中央ジャカルタの5区からなる。北ジャカルタ区はオランダ領時代の旧市街地で,コタと呼ばれる商業中心地があり,コタ駅の周辺は銀行が多い。スンダクラパ港近くにはオランダ風の市街,バタビア城の一部,聖堂,政庁舎,古文書館など植民地時代の建物が多く残る。中央ジャカルタ区は政治,文化の中枢機関が集まり,ムルデカ広場を中心に官庁,大統領官邸 (旧オランダ総督官邸) ,外国公館,商業地区,高級住宅地などがある。南ジャカルタ区には 1950年代に開発された高級住宅地クバヨランバル地域があり,南部への拡大・発展がめざましい。鉄工,食品,印刷繊維などの小規模工場があるが,1970年代からは郊外に外国資本と合弁でアンチョル,プロガドンの両工業団地が造成された。西端には国際空港があり,北東部には海外貿易中心のタンジュンプリオク港がある。経済開発とともに過密化が深刻で,住環境の整備,交通対策などが問題となっている。住民は多様な民族構成を示し混血も進んでいる。面積 664km2人口 958万6705(2010)。

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