リナロール(その他表記)linalool

デジタル大辞泉 「リナロール」の意味・読み・例文・類語

リナロール(linalool)

スズランのような芳香のある無色液体芳樟ほうしょう油・黒文字くろもじ油などの主成分ベルガモット油ラベンダー油にはエステルとして含まれる。化粧品香料に用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「リナロール」の意味・読み・例文・類語

リナロール

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Linalool ) 精油中などに遊離して、あるいはエステルの形で広く存在する無色の液体。化学式 C10H18O スズランのような芳香があり、化粧品などの香料として重要。

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改訂新版 世界大百科事典 「リナロール」の意味・わかりやすい解説

リナロール
linalool



代表的なテルペンアルコール一つリナロオールともいう。3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール。無色の液体で,比重d15=0.865,沸点198℃,引火点78℃。水に微溶,アルコールプロピレングリコールに易溶,油に混和する。リナロールにはα形,β形があり,天然に産出するものはほとんどβ形である。また光学活性があり,l-体(左旋性)はホウショウ芳樟)油,ボアドローズ油,リナロエ油などに,d-体(右旋性)はコリアンデル油に含有される。dl-体(ラセミ体)は合成される。ユリ,スズラン様の香気をもち,各種花精油の調合,化粧品香料,食品香料としても広く用いられる。リナロールのエステルはラベンダー油,ベルガモット油,プチグレン油などの主成分である。リナロールはホウショウ油,ボアドローズ油,リナロエ油などの精油から蒸留して採取される。合成法にはβ-ピネンを熱分解してミルセンを経ての合成法,アセチレンとアセトンを出発原料とする方法,イソプレンに塩酸を作用させ塩化プレニルとし,それを中間原料とする方法などが知られている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リナロール」の意味・わかりやすい解説

リナロール(データノート)
りなろーるでーたのーと

リナロール

 分子式 C10H18O
 分子量 154.3
 融点  ―
 沸点  198℃
 比重  0.8550(測定温度30℃)
 屈折率 (n) 1.4636
 引火点 78℃
 旋光度 [α]+19.3°


リナロール
りなろーる
linalool

鎖状モノテルペンに属するアルコールの一つ。スズランに似た香気を有する無色の液体である。ブラジル産ボアドローズ油、台湾産芳油、国産芳樟(ほうしょう)葉油中に80%以上含有されており、これらから蒸留によって得られるリナロールは、それぞれ独特の香調を有している。合成リナロールはα‐ピネンより製造されるもの、アセトンとアセチレンとから製造されるもの、およびイソプレンから製造されるものであり、量的には合成リナロールが大半を占めている。各種調合香料に広く用いられる。また、ベルガモット油やラベンダー油の代用品として重要な酢酸リナリルの製造原料となる。さらに、ビタミンEの中間原料であるイソフィトールの合成原料としても大量に使用されている。

[佐藤菊正]

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百科事典マイペディア 「リナロール」の意味・わかりやすい解説

リナロール

化学式はC1(/0)H17OH。モノテルペンアルコールの一つ。リナロオールとも。スズラン様の芳香をもつ無色の液体で,遊離またはエステルとして天然に広く存在。多くの精油の主成分をなす。スズラン,ライラックなどの人造花精油調合原料として重要で,セッケン香料,化粧品香料などに広く利用。
→関連項目ゲラニオールテルペン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リナロール」の意味・わかりやすい解説

リナロール
linalool

化学式 C10H18O 。エステルとして広く天然に存在するモノテルペンアルコール。D体,L体の2種が存在する無色の液体。L体は沸点 198℃,D体は沸点 198~200℃。水に不溶,アルコール,エーテルに可溶。スズラン,アロエなどの芳香をもつため,化粧品,石鹸などの香料に用いられる。

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栄養・生化学辞典 「リナロール」の解説

リナロール

 C10H18O (mw154.25).

 鎖状イソプレノイドの一つ.香り成分で,フレーバーとして利用される.

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世界大百科事典(旧版)内のリナロールの言及

【バラ(薔薇)】より

…とくにダマスクバラは芳香がよく,現在でも用いられている。主成分としてはゲラニオールgeraniol,シトロネロールcitronellol,フェニルエチルアルコール,ネロールnerol,リナロールlinaloolなどを含む。種や品種によって芳香はさまざまに異なり,ローザ・モスカータは麝香(じやこう)に似た香り,ティー・ローズは紅茶の香り,また果実や薬味風の香りをもつもの,葉にニッケイのようなにおいのあるバラなどがあり,微量精油成分も少しずつ違う。…

【バラ(薔薇)】より

…とくにダマスクバラは芳香がよく,現在でも用いられている。主成分としてはゲラニオールgeraniol,シトロネロールcitronellol,フェニルエチルアルコール,ネロールnerol,リナロールlinaloolなどを含む。種や品種によって芳香はさまざまに異なり,ローザ・モスカータは麝香(じやこう)に似た香り,ティー・ローズは紅茶の香り,また果実や薬味風の香りをもつもの,葉にニッケイのようなにおいのあるバラなどがあり,微量精油成分も少しずつ違う。…

※「リナロール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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