リナロール(読み)りなろーるでーたのーと(英語表記)linalool

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リナロール」の意味・わかりやすい解説

リナロール(データノート)
りなろーるでーたのーと

リナロール

 分子式 C10H18O
 分子量 154.3
 融点  ―
 沸点  198℃
 比重  0.8550(測定温度30℃)
 屈折率 (n) 1.4636
 引火点 78℃
 旋光度 [α]+19.3°


リナロール
りなろーる
linalool

鎖状モノテルペンに属するアルコールの一つ。スズランに似た香気を有する無色液体である。ブラジル産ボアドローズ油、台湾産芳油、国産芳樟(ほうしょう)葉油中に80%以上含有されており、これらから蒸留によって得られるリナロールは、それぞれ独特の香調を有している。合成リナロールはα‐ピネンより製造されるもの、アセトンアセチレンとから製造されるもの、およびイソプレンから製造されるものであり、量的には合成リナロールが大半を占めている。各種調合香料に広く用いられる。また、ベルガモット油ラベンダー油の代用品として重要な酢酸リナリルの製造原料となる。さらに、ビタミンEの中間原料であるイソフィトールの合成原料としても大量に使用されている。

[佐藤菊正]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リナロール」の意味・わかりやすい解説

リナロール
linalool

化学式 C10H18O 。エステルとして広く天然に存在するモノテルペンアルコール。D体,L体の2種が存在する無色の液体。L体は沸点 198℃,D体は沸点 198~200℃。水に不溶,アルコール,エーテル可溶。スズラン,アロエなどの芳香をもつため,化粧品石鹸などの香料に用いられる。

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