ジャパンプレミアム

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百科事典マイペディア 「ジャパンプレミアム」の意味・わかりやすい解説

ジャパン・プレミアム

日本の銀行が海外で資金を調達するには,通常インターバンクといわれる銀行間取引を利用し,その金利をインターバンク・レートという。その際,日本の金融機関の国際的な信用格付けが下げられたり,不信感が高まると金利を上乗せする。このことをジャパン・プレミアムという。1973年の石油危機以後,日本の経済力に対する不安から欧米の銀行が邦銀との取引を絞り,邦銀の調達金利にプレミアムをつけたことから名づけられた。近年ではバブル崩壊以降の膨大な不良債権住専問題混迷などによる信用力低下,1995年の大和銀行の巨額損失事件などで邦銀への信用が失墜し,上乗せ金利が急拡大した。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ジャパンプレミアム」の解説

ジャパンプレミアム

国際金融市場で邦銀が資金を調達する際に、資金の貸し手となる欧米銀行から上乗せして要求される金利幅。1993年の日本でのBIS規制導入、1997~98年の山一証券北海道拓殖銀行経営破綻などでジャパンプレミアム幅は拡大するようになっている。ジャパンプレミアムは、日本の金融システムへの不安を反映したリスクコストといえる。ここ最近では、邦銀の不良債権処理が進み、また邦銀が海外業務から撤退したことで海外銀行からの資金調達そのものが少なくなっていることから、ジャパンプレミアムの幅は小幅で推移している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャパンプレミアム」の意味・わかりやすい解説

ジャパン・プレミアム
Japan premium

日本銀行が海外市場で資金調達を行う際に要求される上乗せ分の金利。住宅金融専門会社 (住専) をはじめ各行がかかえる膨大な不良債権と,それらの処理をめぐる関係当局の政策の不透明さなど,日本の金融システムに対する不信感が高まり,海外での邦銀の信用度は著しく低下した。さらに 1995年9月に発覚した大和銀行ニューヨーク支店での巨額損失事件が拍車をかけた。この事件では,情報開示を怠った銀行上層部の責任と,大蔵省など監督官庁不手際が信用をさらに失墜させ,より割高な金利を要求されることになった。

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