ジロデイタリア(読み)じろでいたりあ(英語表記)Giro d'Italia イタリア語

デジタル大辞泉 「ジロデイタリア」の意味・読み・例文・類語

ジロ‐デ‐イタリア(〈イタリア〉Giro d'Italia)

自転車ロードレース一つ毎年5月に約3週間にわたってイタリア全土で行われる。1909年から開催ツールドフランスブエルタアエスパーニャとともにグランツールと呼ばれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジロデイタリア」の意味・わかりやすい解説

ジロ・デ・イタリア
じろでいたりあ
Giro d'Italia イタリア語

毎年5月に3週間あまりをかけ、イタリアをほぼ一周するプロの自転車ロードレース競技大会。ジーロ・ディターリアともいう。ジロと略す。giroは周回周遊で、Giro d'Italiaは「イタリア一周」を意味する。グランツールの一つである。1909年にイタリアの日刊スポーツ新聞『ガゼッタ・デロ・スポルト』La Gazzetta dello Sportの主催で第1回大会が開かれた。同大会の6年前に始まったツール・ド・フランスには、参加者数や賞金総額では及ばないものの、技量と体力を問われる点で世界最高の大会という定評を得ている。毎年、新たに設定されるコースには、アルプスのドロミテなどの山岳地帯における上り坂の過酷なステージや、癖のある難コースが含まれることがその理由である。ジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスを同じシーズンに制覇することをダブルツールといい、さらに、世界選手権ロードレースも制覇すれば、トリプルクラウンとよばれる。また、ジロ・デ・イタリア・フェミニーレとよばれる女子競技大会も開かれている。

 ジロ・デ・イタリアの競技は、21のステージで構成された合計3500キロメートルあまりの公道のコースを走り、総合成績順位を競う。レースの順位は、各ステージのゴールの通過順位によって与えられるポイントで決められる。各ステージはそれぞれ特徴的なコースが設定されており、チームタイムトライアル、個人タイムトライアル、平地ステージ、山岳ステージに分けられる。標高差の大きな本格的な山岳ステージでは、ゴールや中継点が標高2000メートルを超える地点に設定されている。総合順位とは別に、各ステージで優秀な成績を収めた選手には特別賞が贈られる。受賞者には、リーダージャージという特定の色のシャツイタリア語で「マリア」)が与えられ、翌日のレースで選手はそれを着用して出場するのが恒例となっている。リーダージャージが授けられるおもな賞は以下のとおりである(2014年時点)。(1)マリア・ローザ(ピンク) 個人総合1位。(2)マリア・ロッソ・パッショーネ(赤) ポイント賞。(3)マリア・アッズーラ(青) 山岳賞。(4)マリア・ビアンカ(白) 年齢が25歳以下のトップ選手に贈られる新人賞。レースはリーダージャージの争奪戦を繰り広げながら続き、最終的に各賞の総合順位が決定する。なお、レース期間中に着るリーダージャージはないものの、全ステージで上位に位置した選手に贈られる敢闘賞、総獲得ポイントの多いチームに贈られるスーパーチーム賞など、多く表彰が行われる。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジロデイタリア」の意味・わかりやすい解説

ジロ・デ・イタリア
Giro d'Italia

イタリア国内を一周する自転車の長距離ロードレース。ツール・ド・フランスブエルタ・ア・エスパーニャと並ぶ世界三大ロードレース (グランツール) の一つ。 Giroは,イタリア語で周回・周遊の意味。 1909年に創設。2度の世界大戦時以外は毎年開催されている。コースは毎年変わるが,基本的にはイタリア半島を縦断する。距離は 3500km前後で,5月の約3週間にわたって行なわれる。各ステージの所要時間を加算し,合計時間の最も少なかった選手が総合優勝となり,マリア・ローザと呼ばれるピンク色のシャツを着る権利を得る。

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