ジンバイソウ(読み)じんばいそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジンバイソウ」の意味・わかりやすい解説

ジンバイソウ
じんばいそう
[学] Platanthera florentii Fr. et Sav.

ラン科(APG分類:ラン科)の多年草。ミズモランともいう。塊茎塊根はあまり肥厚せず、横走する。花茎は高さ20~40センチメートル、基部光沢のある葉を2枚、やや対生状につける。8~9月、同じラン科のキソチドリに似た花を開く。冷温帯の林床に生え、日本全土に分布する。日本の特産種であるが、日本に近縁なものはなく、非常に近い種類が北アメリカにある。

井上 健 2019年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジンバイソウ」の意味・わかりやすい解説

ジンバイソウ
Platanthera florenti

ラン科の多年草。深山のおもにブナ帯の樹陰に生える。高さ 30cm内外。葉は2枚で根もと近くに相接して互生する。楕円形または卵状楕円形で,長さ5~8cm,表面に光沢があり,縁は波状にちぢれている。茎の上部には数枚の鱗片葉がある。8~9月,茎の上部に十数個の淡緑色の花をまばらな総状花序につける。唇弁正面に舌のように垂れ,距は前方に湾曲する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジンバイソウの言及

【ツレサギソウ】より

…ホソバノキソチドリP.tipuloides Lindl.の群は花の黄色味が強く,亜高山帯の湿原に群生する。そのほか,ブナ帯の林床にジンバイソウP.florenti Fr.et Sav.,低山の林床にオオバノトンボソウP.minor (Miq.)Reichb.f.(ノヤマトンボ),湿原に花の白いミズチドリP.hologlottis Maxim.などが比較的多くみられる種類である。【井上 健】。…

※「ジンバイソウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android