スイングバイ(読み)すいんぐばい

デジタル大辞泉 「スイングバイ」の意味・読み・例文・類語

スイング‐バイ(swing-by)

天体万有引力を利用して、宇宙船や探査機の速度方向を変える技術太陽系外へ脱出した米国の探査機ボイジャー1号、2号をはじめ、惑星探査機多くがこの技術を使っている。重力アシスト重力ターン

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共同通信ニュース用語解説 「スイングバイ」の解説

スイングバイ

天体の重力を利用して探査機などの進行方向を変える技術。重力ターンとも呼ばれる。貴重な燃料をあまり使わずに軌道変更できるのが利点。天体に接近する向きによって、飛行速度を速くしたり遅くしたりすることもできる。米航空宇宙局(NASA)の水星探査機マリナー10号が1974年に実施して以来、探査機が惑星間や太陽系外に向けて飛行する際にたびたび用いられる。はやぶさ2のように地球の重力を利用する場合は、地球スイングバイと呼ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スイングバイ」の意味・わかりやすい解説

スイングバイ
すいんぐばい

天体の万有引力と公転運動を利用して、宇宙探査機などの運動方向と速度を変更する方法。宇宙探査機の運動方向と天体の公転運動方向の関係により、宇宙探査機を減速または加速できる。スイングバイを利用すると、宇宙探査機の燃料をほとんど使わずに、その運動方向と速度を変更できるので、宇宙探査における非常に重要な技術である。

 宇宙探査における代表的な使用例としては、ボイジャー1号を木星でスイングバイし、またボイジャー2号を木星と土星を使って、太陽系外へ飛行させた。2004年(平成16)には、日本が打ち上げた小惑星探査機はやぶさ」が地球を使ったスイングバイにより小惑星イトカワ」へ軌道変更している。将来的には火星に向けた惑星有人探査などへの利用が期待されている。

[山本将史 2022年3月23日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スイングバイ」の意味・わかりやすい解説

スイングバイ

「フライバイ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のスイングバイの言及

【人工天体】より

…その後,米ソにより金星,火星,水星などの比較的近距離の内惑星探査機が打ち上げられたが,最近では,アメリカのパイオニア,ボエジャー,ガリレオといった遠距離外惑星探査の人工天体が有名である。ボエジャー型の人工天体は,その軌道設計が,複数の惑星の引力を利用して径路を変更するスイングバイswing‐byという方法を用いており,木星,土星,天王星を探査した後,ついには太陽系を離脱するエネルギーを得,太陽系全体と同様,銀河系へと飛行する予定である。【松尾 弘毅】。…

※「スイングバイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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