太陽系の小惑星。アメリカ・マサチューセッツ工科大学リンカーン研究所の地球近傍小惑星探査チームにより1998年9月に発見された。地球に近づく軌道をもつ地球近傍小惑星の一つ。地球と火星の公転軌道を横切るように軌道をとる。小惑星番号は25143。小惑星探査機「はやぶさ」の探査対象。名称は日本の航空工学者糸川英夫(いとかわひでお)にちなむ。
2005年(平成17)、イトカワに接近・着陸(着地)した「はやぶさ」による観測により、細長いソーセージのような形をしており、535メートル×294メートル×205メートルの楕円体であることが判明した。比重は1立方センチメートル当り1.9グラムと、地球の比重(1立方センチメートル当り5.5グラム)に比べて非常に小さいことがわかった。このことから、イトカワ内部はかなり隙間(すきま)のある構造と推測される。
「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルの分析により、46億年前の太陽系誕生初期に直径20キロメートル以上のイトカワ母天体ができたこと。母天体形成後、内部の温度が約800℃まで上がり、ゆっくり冷えたこと。そして、他の小天体の衝突によりイトカワ母天体はばらばらになったが、再度、破片の一部が重力で集まって現在のイトカワができたことが分かった。
[編集部 2022年10月20日]
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