世界で初めて小惑星から岩石を採取して地球に戻った探査機「はやぶさ」の後継機。2014年12月に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。大きさは縦1・25メートル、横1メートル、奥行き1・6メートル。18年6月に小惑星りゅうぐうに到着し、19年2月と7月に着陸して岩石の採取に挑んだ。20年12月6日に収納カプセルをオーストラリア南部の砂漠に落下させ、回収にも成功した。往復の総飛行距離は52億4千万キロ。はやぶさ2は地球を通過し、別の小惑星の調査に旅立った。
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、2014年(平成26)12月3日にH-ⅡAロケットで打ち上げられた小惑星探査機。2010年に地球に帰還したはやぶさの後継機である。地球近傍小惑星リュウグウの探査とサンプルリターンを目的とした。はやぶさの目的小惑星イトカワは岩石系小惑星(S型小惑星)であったが、リュウグウは炭素系の物質を主成分とするC型小惑星であり、有機物の探索も考えられた。はやぶさ2の質量は600キログラムで、大きさは1.0メートル×1.6メートル×1.4メートル。本体の基本構造は、はやぶさとほぼ同じであるが、改良されて新たな搭載機器が加えられた。そのひとつである「衝突装置」は、小惑星に人工的にクレーターをつくり、表面を露出させて熱などの影響の少ないサンプルを採取するための機器である。
2018年6月27日、リュウグウに到着。2018年9月21日に小型着陸機の「ミネルバ2」を投下して、その着陸後の写真より投下実験の成功を確認した。2018年10月3日にはドイツとフランスが開発した小型着陸機「マスコット」を投下して、着陸の成功を確認した。2019年2月22日に最初のタッチダウンを成功させ、砂などのサンプルを採取した。2019年4月5日、衝突装置により、リュウグウに直径10メートルのクレーターを開けることに成功した。2019年(令和1)7月11日にクレーター内のサンプルを採取するための2回目のタッチダウンを行い、成功した。
2020年12月6日、はやぶさ2は地球に接近、サンプルが入ったカプセルを分離後、次の目的である「1998KY26」へ向けて飛行中である(2031年7月到着予定)。
回収されたサンプルは、世界各国の研究者により分析中である。2022年6月6日に十数種のアミノ酸、同年9月23日には塩や有機物が含まれる「炭酸水」が検出された。
[編集部 2023年8月18日]
(金谷俊秀 ライター/2019年)
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
(2014-12-4)
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