はやぶさ2(読み)ハヤブサツー

デジタル大辞泉の解説

はやぶさ‐ツー【はやぶさ2】

JAXA(ジャクサ)宇宙航空研究開発機構)による小惑星探査機、および探査計画の名称。平成17年(2005)に小惑星イトカワに到達しサンプル採取に成功したはやぶさの同型機により、地球近傍小惑星アポロ群の一つである1999JU3(のちに「リュウグウ」と命名)への着陸とサンプル採取を目標とし、平成26年(2014)12月に打ち上げられた。平成30年(2018)6月にリュウグウ上空の軌道に到着、9月に探査用ローバーミネルバⅡ1、10月にMASCOTを投下。平成31年(2019)2月、探査機本体の着地に成功し、表面物質を採取した。4月に表面へ金属塊を撃ち込み、人工クレーターに世界で初めて成功。令和元年(2019)7月に再び着地を実施し、噴出した地下物質の採取に成功した。

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知恵蔵の解説

はやぶさ2

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発・運用する小惑星探査を目的とする科学衛星。世界で初めて小惑星からサンプルを持ち帰ることに成功した「はやぶさ」に続く2機目の小惑星探査機となる。2019年2月に小惑星リュウグウ(Ryugu)へ1回目のタッチダウン(接地)に成功。以降、様々な運用を行い、20年末に地球に帰還する予定。小惑星を探査しサンプルを持ち帰るミッションを通して、太陽系天体への往復探査技術を確実なものにすると共に、太陽系誕生や生命誕生の秘密に更に近づくことができると期待されている。
数々の困難を乗り越えて2010年に世界初の地球帰還を果たした「はやぶさ」は工学試験探査を主とする実験機だった。「はやぶさ2」は、その後継として理学探査に重きを置く実用機として開発された。このため、「はやぶさ」の技術を受け継ぐと共に、その経験を生かした数々の改良が行われた。「はやぶさ2」は、種子島宇宙センターからH-ⅡAロケットで14年12月に打ち上げられ、地球の重力を利用するスイングバイを経て、18年にリュウグウ付近に到着。「はやぶさ」で果たせなかったローバー(探査車)や、ドイツ、フランスが共同開発した国際協力機器である小型着陸機の投下、運用に成功した。19年2月のタッチダウンでは、同じく懸案となっていたプロジェクタイル(弾丸)発射を含むタッチダウンを実施し、十分な量のサンプルが得られたと見られる。同年4月以降には、衝突装置を使って小惑星に人工クレーターをつくる世界初の試みや、可能ならばその近傍に再着陸して小惑星内部のサンプルを採取する運用を行い、同年末ごろに帰途に就く予定。
JAXAは、「はやぶさ2」のミッションの意義は三つあるとしている。一つ目は科学的意義で、「我々はどこから来たのか」という疑問を解決するためのもの。「はやぶさ」が探査した小惑星イトカワ(Itokawa)は、その成分が主に石質であるS型小惑星に分類される。これに対して、「はやぶさ2」の目標天体であるリュウグウは炭素を主成分とするC型小惑星で、太陽系が生まれた頃の水や有機物が残されていると考えられている。このため、惑星の起源だけでなく、地球の水や生命誕生の秘密に迫る上で重要な探査となる。二つ目は技術的意義で、「技術で世界をリードする」ために、「はやぶさ」で培った日本独自の深宇宙探査技術の継承と発展を目指す。三つ目は探査としての意義で、「フロンティアへの挑戦」により、科学技術のイノベーションや産業・社会への貢献を挙げている。

(金谷俊秀 ライター/2019年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

はやぶさ2

2010年に小惑星「イトカワ」の微粒子を地球に届けた小惑星探査機「はやぶさ」の後継機。小惑星との間を往復する探査技術の向上が狙いだった初号機に比べ、観測やサンプル採取に力を入れる。目指す小惑星「1999JU3」は、岩石質の「イトカワ」と異なって水や有機物を含むとされ、太陽系の歴史や生命の起源に迫れると期待されている。小惑星の表面に銅の弾丸をぶつけてクレーターをつくり、太陽の熱や太陽風の影響を受けていない地下物質を採取する。18年に小惑星に到着し、20年に地球に帰還する予定。

(2015-04-25 朝日新聞 朝刊 淡路・2地方)

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知恵蔵miniの解説

はやぶさ2

JAXA(宇宙航空研究開発機構)の小惑星探査機。2010年6月に地球への帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の後継機で、太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「1999 JU3」を目指す。本体の基本構造は「はやぶさ」とほぼ同等だが、「はやぶさ」で実証した技術を継承し発展させることで、より推進力や耐久性のあるものに仕上げられている。新技術としては、小惑星に激突させ、小惑星内部のサンプルを得るためのインパクタ(衝突装置)が搭載されている。14年12月3日、「はやぶさ2」はH-IIAロケット26号機に搭載され、種子島宇宙センターから打ち上げられた。C型小惑星に到着するのは18年半ばで、1年半ほど小惑星に滞在し、20年末頃に地球に帰還する予定となっている。

(2014-12-4)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

はやぶさ2
Hayabusa2

宇宙航空研究開発機構 JAXAが開発した小惑星探査機。はやぶさの後継機として開発され,小惑星リュウグウの探査とサンプルリターンを行なう目的で,2014年12月3日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。C型小惑星のリュウグウは,はやぶさが探査した S型小惑星イトカワよりも始原的であると考えられており,より始原的な小惑星を探査し,その試料を分析することで,太陽系の起源や進化,生命の原材料物質を解明することを目指す。はやぶさ2は,光学航法カメラ ONC,中間赤外カメラ TIR,近赤外分光計 NIRS3(→赤外線分光計),レーザー高度計 LIDARなどの観測装置や衝突装置 SCI,小型ローバ MINERVA-II,小型着陸機 MASCOTなどを搭載する。2018年6月,リュウグウに到達。同 2018年9月には MINERVA-II 1の分離に成功,2機のローバがリュウグウに着陸した。MINERVA-IIは世界で初めて小惑星の表面に着陸し,移動,撮影を行なった。2019年2月,はやぶさ2本体がリュウグウへのタッチダウン(接地)に成功し,リュウグウ表面の試料採取を実施した。同 2019年4月には,地中の試料を採取するため SCIを分離,リュウグウに金属弾をぶつけ,直径 10mにわたる人工クレータの作製に成功した。小惑星にクレータを作製するのは世界初となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

はやぶさ2
はやぶさつー

宇宙航空研究開発機構(JAXA)により、2014年(平成26)12月3日にH-Aロケットで打ち上げられた小惑星探査機。2010年に地球に帰還したはやぶさの後継機である。地球近傍小惑星リュウグウの探査とサンプルリターンを目的としている(2018年小惑星到着、2020年地球帰還を予定)。はやぶさの目的小惑星イトカワは岩石系小惑星(S型小惑星)であったが、リュウグウは炭素系の物質を主成分とするC型小惑星であり、有機物の探索も考えられている。はやぶさ2の質量は600キログラムで、大きさは1.0メートル×1.6メートル×1.4メートル。本体の基本構造は、はやぶさとほぼ同じであるが、改良されて新たな搭載機器が加えられた。そのひとつである「衝突装置」は、小惑星に人工的にクレーターをつくり、表面を露出させて熱などの影響の少ないサンプルを採取するための機器である。[編集部]

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