翻訳|caramel
砂糖,ブドウ糖,果糖などの糖類を加熱すると,160℃くらいで溶融し,さらに加熱すると190~220℃で黒褐色の粘度の高い物質に変わる。これをカラメルといい,この過程をカラメル化という。パンをトーストにしたり,餅を焼くときつね色になるが,これはパンや餅に含まれている糖が,熱のためカラメル化するためである。カラメルはまた工業的に製造され,ソース,しょうゆ,清涼飲料などの着色に用いられる。この場合,原料のサツマイモあるいはジャガイモのデンプンを酸で糖化し,次いで180~220℃で加熱して製造する。副原料としてアンモニアを加えると色の濃いものができ,これを特にアンモニアカラメルという。カラメル自体はひじょうに分子量の大きなものだが,反応中間物として3-メチルイミダゾールなどの低分子物質を微量含む。
執筆者:田島 真
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
砂糖を焦げる直前まで煮詰めた状態のものをいう。弱い苦味があって、水に溶けやすい。日本の市販品の大部分はなまのサツマイモ、切り干しいものデンプンを酸糖化し、150~180℃まで加熱し、放冷してアルカリで中和したものである。アンモニアを吹き込んで加熱するアルカリ焙焼(ばいしょう)法もある。また、デンプンのほかに糖蜜(とうみつ)や砂糖を使用するものもある。
ブドウ糖からできたカラメルは、しょうゆ、ソースに使われ、砂糖からつくられたカラメルは、製菓、嗜好(しこう)飲料、そのほかウイスキーやブランデーなどの着色剤として用いられる。砂糖と水を煮立て、高めていく温度を利用して、さまざまな飴(あめ)菓子ができる。コップの中に冷水を入れ、煮た砂糖液を落とすと、その変化によっていろいろのキャンディーができる。これはコールドウォーター法といわれる。
[小林文子]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ソフトキャンディの一種で,砂糖・水あめ・練乳・バターなどを主原料として作る。キャラメルという名は,カルメラ,カラメルとともに砂糖菓子の意のポルトガル語カラメロcarameloに由来する。現在市販されているキャラメルの創始者は森永製菓の開祖森永太一郎であり,在米中に洋菓子製造法を修得し西洋菓子製造所を1899年東京・赤坂に開設した。キャラメルも外人客の注文に応じて当初から作っていたが,日本の気候に適さず原料配合の研究が重ねられた。…
…タンパク質が調理の過程で加水分解されると,高い癌原性物質ができる場合もある。糖の加熱産物であるカラメルも癌原性があるといわれるが,微生物に対しては突然変異誘起性を示すが,ラットでは癌原性を示さない。このほか,ヒトに癌原性を示すものには,12‐OH‐ステアリン酸,γ‐デカノラクトン,4‐ケトデカノイン酸,12‐オキソオレイン酸など多価不飽和脂肪酸類がある。…
※「カラメル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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