翻訳|invert sugar
ショ糖を酸あるいは酵素を用いて加水分解して得られるブドウ糖と果糖が1対1に含まれる糖。ショ糖は,ブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合してできているが,この結合は,酸や酵素(インベルターゼ)によって容易に分解されて,ショ糖1分子からブドウ糖,果糖が1分子ずつ生成する。この反応を転化と呼び,得られる糖が転化糖である。転化糖は甘みが強くショ糖の1.2~1.3倍あり,また吸湿性があり砂糖の結晶化を妨げる性質をもっている。日本で使われている砂糖のうち上白糖,中白糖は,しっとりとした感じと甘みを与えるために1~2%の転化糖を添加してある。また転化糖の添加は,砂糖の微細結晶が固結することを防ぐ作用ももっている。このような性質を利用して,転化糖は液状糖の原料として用いられるほかに,製菓原料としても広く使われている。これは菓子の甘さにこくをつけたり,製品の乾燥を防止する作用があるためである。
ショ糖が非還元糖であるのに対し,ブドウ糖と果糖の混合物である転化糖は還元糖であるので,加熱中の着色などの反応はおこりやすい。製造法はまったく異なるが,糖組成から考えると転化糖は異性化糖に近いということができる。また,はちみつの糖類の大部分は転化糖である。
執筆者:貝沼 圭二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
スクロース(+66.5°)を希酸や酵素で加水分解すると,D-グルコース(+52.6°)とD-フルクトース(-92.8°)の混合物になる.その際,旋光度が右旋性から左旋性(-20°)に転じるので,この変化を転化(inversion),生成した糖混合物を転化糖という.スクロースと異なる味を与え,結晶化しにくいが吸収されやすいので,滋養剤,調味料など食品製造に使用される.ハチミツは60~90% の転化糖を含む.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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