翻訳|syrup
濃厚な砂糖液の総称。香味をつけたものと,つけないものとがあり,フルーツシロップ,グレナデンシロップ,メープルシロップなどは前者に,ガムシロップ,シュガーシロップなどは後者に属する。フルーツシロップはレモン,イチゴ,メロンなどの香料を加えて着色したもので,かき氷などに用いる。グレナデンシロップはザクロの香味をつけた鮮紅色のもので,おもにカクテルに使う。メープルシロップは北アメリカ特産のカエデ糖を原料とするもので独特の風味があり,ホットケーキなどに用いる。ガムシロップは,アラビアゴムを加えて煮た砂糖液でカクテルなどに用いられたが,今はあまり使われず,代りに,グラニュ糖などを同量の湯で溶かしてつくるシュガーシロップが使われている。なお,かつて日本ではシロップを〈舎利別(しやりべつ)〉と呼んだことがある。大槻文彦の《大言海》によるとラテン語sirupusの音訳とあり,香味を加えぬシュガーシロップは〈単舎利別〉といい,第2次世界大戦前の《日本薬局方》にその製法が載せられている。
執筆者:菅原 龍幸+鈴木 晋一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
濃い甘味液の総称。砂糖を溶かし、香料、コーヒー、紅茶、アラビアガムなどを添加してつくる。もっとも簡単なのは、砂糖を溶かして煮つめたものである。フルーツシロップは、本来は生(なま)の果実の絞り汁に砂糖を加えたものであったが、砂糖液にイチゴ、メロン、オレンジ、レモンなどの着色料や香料を使った製品が多い。グレナデンシロップは、ザクロの風味と鮮紅色が特色のフルーツシロップの一種で、カクテルに用いられる。ガムシロップは砂糖液にアラビアガムを加えた無色・無香のシロップで、おもにカクテルに用いられる。メープルシロップはカナダおよびアメリカ北部産のサトウカエデの樹液を濃縮してつくったもので、風味のよい、不透明の液状をしている。ホットケーキなどにかけて用いられる。そのほか、コーヒーを用いたコーヒーシロップなどがある。シロップはカクテルや飲料の甘味づけに、また、製菓材料やデザートに用いられる。
[河野友美・山口米子]
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