スチャバ(その他表記)Suceava

デジタル大辞泉 「スチャバ」の意味・読み・例文・類語

スチャバ(Suceava)

ルーマニア北東部の都市ブコビナ地方に位置し、14世紀から16世紀までモルドバ公国首都が置かれ、シュテファン大公時代交易中心地として栄えた。14世紀建造のスチャバ城、ブコビナ地方の伝統的な民家を再現した野外村落博物館、ボグダン3世が建造した聖ゲオルゲ教会がある。スチャーバ

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改訂新版 世界大百科事典 「スチャバ」の意味・わかりやすい解説

スチャバ
Suceava

ルーマニアのモルドバ地方北部,シレト川上流右岸に発達するスチャバ台地に位置する都市。同名県の県都。人口10万6831(2005)。標高341m,年平均気温8.0℃。古くから中央ヨーロッパや北ヨーロッパ,特にポーランドと黒海沿岸とを結ぶ交通の要地であった。政治・経済の中心地になり,14~16世紀には,モルドバの主都になった。当時,建設されたスチャバ城(別名スカウン城)は,非常に堅固で城壁の厚さは4mにも達したが,今では城跡のみ残る。また14世紀のミラウチロール教会をはじめ,16世紀の聖ドゥミトル教会,聖ゲオルゲ教会,17世紀のザムカ修道院などがある。都市の近代化が急速に進み,パルプ製紙工業が導入された。ブコビナ地方と呼ばれる市の北西40~70kmには,ボロネツ,モルドビツァ,プトナ,シュツェビツァなど宗教壁画のある修道院があり,ルーマニアの代表的な観光地の一つとなっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スチャバ」の意味・わかりやすい解説

スチヤバ
Suceava

ルーマニア北東部,スチヤバ県 (面積 8555km2。人口 70万 800〈1992推計〉) の県都。カルパート山脈東麓,スチヤバ川西岸に位置する。中世末期にはモルドバ公国の中心地の一つとして栄え,1461~1565年はその首都であった。 14世紀に建設されたスチヤバ要塞が残り,内部だけでなく,外壁フレスコ画で覆われた 16世紀の聖堂は,1993年モルドバ北部に散在する同様の六つの聖堂とともに,世界遺産の文化遺産に登録された。郊外には繊維製材製紙,食品などの工場が建設され,都市計画による市街の近代化も進んでいる。人口 11万 4355 (1992推計) 。

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世界大百科事典(旧版)内のスチャバの言及

【モルドバ】より

…この事実は,マラムレシュから移住したブラフ人と呼ばれていたルーマニア人は少数であったことから,すでにモルドバには多数のルーマニア語を話すモルドバ住民が居住し,彼らがボグダンを支持したことを示している。公国の首都は初めバイアBaiaに置かれ(15世紀にスチャバに移された),ハンガリーの圧力に対抗するため,1387年ペトルPetru1世(在位1375ころ‐91ころ)はポーランド王の宗主権を認めた。また14世紀末からはオスマン帝国の脅威も加わり,1456年にはスルタンへの貢納を余儀なくされた。…

※「スチャバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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