ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ステファヌス3世」の意味・わかりやすい解説
ステファヌス3世(4世)
ステファヌスさんせい[よんせい]
Stephanus III (IV)
[没]772.1.24. ローマ
シチリア(→シチリア島)出身の第94代教皇(在位 768~772)。教皇パウルス1世(在位 757~767)の死後,世俗権力者が教皇座をねらい,コンスタンチヌス2世(在位 767~768)とフィリップス(在位 768.7.)が対立教皇として立つ混乱が続いた。768年8月,ベネディクト会の司祭だったステファヌス3世(4世)が教皇に選出され,フランク王カルル1世(在位 768~814)と,その弟で共同統治をしていたカルロマン(在位 768~771)に選挙結果を伝えた。769年4月,ラテラノ会議を招集し,対立教皇コンスタンチヌス2世を正式に廃位した。教会内部では,東方教会に対しイコン(聖像)の崇敬を認め(→聖画像論争),またローマ教会において司教枢機卿(→カーディナル)の権利を拡大した。
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