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嫡出子 ちゃくしゅつし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

嫡出子
ちゃくしゅつし

法律上の婚姻関係にある男女(→夫婦)の間に生まれた子。婚姻成立の日から 200日後または婚姻の解消もしくは取り消しの日から 300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定され,さらに妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子,すなわちその夫婦の嫡出子と推定される(民法772)。この推定は,夫のみが子の出生を知ったときから 1年以内に嫡出否認の訴えを提起することによって争うことができる(774~778条)。これに対して,婚姻成立の日から 200日以内に出生した子はこの嫡出推定を受けず,戸籍上嫡出子として記載されるが,夫以外の者によっても争うことができ出訴期限の定めもない父子関係不存在確認の訴え(→確認の訴え)により嫡出性を覆すことができる(推定されない嫡出子)。嫡出子は父母を称する(790条1項)。嫡出でない子準正によって嫡出子たる身分を取得する(789条)。嫡出子の相続分は嫡出でない子の 2倍と定められていたが,2013年民法の一部が改正され,嫡出でない子と同等となった。

嫡出子
てきしゅつし

嫡出子」のページをご覧ください。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

嫡出子

法律上の婚姻関係にある男女を父母として生まれた子。戸籍には夫婦の子として記載される。法律上の婚姻関係にない男女から生まれた子が非嫡出子(婚外子)で、原則として母親の戸籍に入り、父親の名は記載されない。将来、法定相続分が嫡出子の半分となるなど不利益を被る可能性がある。

(2010-01-10 朝日新聞 朝刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

ちゃくしゅつ‐し【嫡出子】

法律上の婚姻関係にある夫婦間に生まれた子。てきしゅつし。婚内子。⇔非嫡出子

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百科事典マイペディアの解説

嫡出子【ちゃくしゅつし】

法律上の婚姻関係から生まれた子。民法は,婚姻成立の日から200日後または婚姻の解消・取消しの日から300日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定し,さらに妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定している(民法772,773条)。
→関連項目婚外子実子庶子内縁認知離縁

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世界大百科事典 第2版の解説

ちゃくしゅつし【嫡出子 legitimate child】

法律上の婚姻関係にある男女を父母として生まれた子。民法は婚姻中に懐胎された子をもって夫の子と推定する懐胎主義によって立法している(772条1項)。ところが,第2次大戦前には,婚姻の慣行として子が出生するまで婚姻の届出をせず,内縁関係にとどまるという場合も多かった。このような場合に,父母は法律上の婚姻をしているのに,その間に生まれた子が一時的にせよ〈嫡出でない子〉として処遇される結果になる。そこで,判例,学説は懐胎主義から脱し,父母の婚姻中に出生した子をもって嫡出子とする出生主義によることになった。

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大辞林 第三版の解説

ちゃくしゅつし【嫡出子】

法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

嫡出子
ちゃくしゅつし

法律上、婚姻している夫婦の間に生まれた子。[山本正憲]

生来の嫡出子と準正による嫡出子

嫡出子には、生来の嫡出子と準正による嫡出子とがある。
 生来の嫡出子とは、正式に婚姻している夫婦間に生まれた子をいう。子が懐胎されてから生まれるまでの間(妊娠期間)その父母(夫婦)の間にしばらくでも婚姻関係があればよいから、
(1)妻が婚姻後に懐胎しその婚姻中に生んだ子
(2)妻が婚姻前に懐胎し、やがて婚姻し、その婚姻中に生んだ子
(3)妻が婚姻後懐胎し、その後、夫の死亡、夫との離婚によって婚姻が解消しまたは婚姻が取り消されたのちに生んだ子
(4)妻が婚姻前に懐胎し、やがて婚姻し、ついでその婚姻が解消しまたは取り消されたのちに生んだ子
などもすべて嫡出子であると考えてよい。
 このような嫡出子のうち、婚姻後200日後、または婚姻が解消しあるいは取り消された日の翌日から数えて300日以内に妻が生んだ子は、妻が婚姻中に懐胎したものと推定され(民法772条2項)、そのような子は夫の子と推定されるから(同法772条1項)、これを「推定された嫡出子」といい、これに該当しない子を「推定されない嫡出子」という。この区別は父子関係を否認する手続において大きな意味をもつ。もっとも、形式的には以上の要件を満たしていても、実質上夫の子でないことが明らかな場合は、例外的に、推定されない嫡出子(推定の及ばない嫡出子)とみるべきである。
 準正による嫡出子には、嫡出でない子(婚外子)を認知して親子関係が確定されたのち父母が婚姻する場合と、父母が婚姻したのちに認知する場合とがある(同法789条1・2項)。[山本正憲]

国際私法上の親子関係

親子関係をめぐる法律は国によって異なり、それを統一することは宗教、文化などの違いによりほとんど不可能である。そこで、父、母そして子の国籍や常居所地国が異なる国際的な家族においては、国際私法により、いずれの国の法律によって親子関係を規律するかを定めることによって、秩序が与えられている。日本の国際私法典である「法の適用に関する通則法」(平成18年法律第78号)では、第28条において嫡出親子関係の成立の準拠法を定め、第32条において親権等の親子間の法律関係の準拠法を定めている。
 法の適用に関する通則法第28条によれば、子の出生当時の夫婦のいずれか一方の本国法により嫡出子とされれば、その子は嫡出子とされる。これに従えば、たとえば、嫡出推定の期間に関して各国の法律は異なっているので、夫の本国法によれば嫡出子とはされないときであっても、妻の本国法によって嫡出子とされていれば、その子は夫との間でも嫡出子とされることになる。このような扱いが是認される理由は、夫婦という特別の関係を形成した者の間では、相手方の本国法による規律に従う結果となることは不合理とはいえず、また、こうすることによって子が嫡出子となる機会を増やすべきであるとの法政策があるからであるとされている。このような準拠法の定め方は、選択的連結とよばれる。なお、逆に、嫡出否認をするときには、夫婦の双方の本国法によってともに嫡出性が否定されなければならない。
 嫡出子か否かは、日本の戸籍のような公的記録簿の記載の問題だけではなく、相続分について嫡出子を非嫡出子よりも優遇している国もあることから意味をもつことになる。国際私法上、相続の準拠法は被相続人の本国法とされるところ(法の適用に関する通則法第36条)、これは嫡出親子関係の成立に関する準拠法とは異なることがある。このため、相続準拠法の適用上の問題となる場合に嫡出子を決めるのは、第28条により定まる嫡出親子関係成立の準拠法によるか第36条により定まる相続準拠法によるかという問題が生ずる。これについて、相続準拠法上の概念の決定であるので、相続準拠法によるべきであるとする見解や、相続準拠法所属国の国際私法によって定まる準拠法によるべきであるとの見解もあるが、日本の判例および学説の多数は、嫡出親子関係の成立という問題が独立の単位法律関係として設定されている以上、たとえば、前記のように相続という別の問題の判断過程で子の嫡出性の問題が生じようとも、あくまでも第28条によって定まる準拠法によるべきであるとしている。
 なお、国によっては、嫡出と非嫡出との区別がない法律もあるが、法の適用に関する通則法第28条は夫婦から生まれた子であるか否かを決定する準拠法に関する規定であり、選択された法律上、非嫡出との区別がなければ、単なる親子関係の成立という効果が生ずることになる。そして、法の適用に関する通則法上の適用順序として、嫡出親子関係の成立に関する第28条は、非嫡出親子関係の成立に関する第29条よりも先に適用され、第29条は第28条により指定された法律上、嫡出親子関係がないとされた場合にのみ適用されることになる。
 準正による嫡出子の身分の取得は、準正の要件である事実が完成した当時の父、母または子の本国法のいずれかで認められればよい(法の適用に関する通則法30条)。[道垣内正人]
『佐藤やよひ・道垣内正人著『渉外戸籍法リステイトメント』(2007・日本加除出版)』

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世界大百科事典内の嫡出子の言及

【相続】より

…なお,相続権の語は,相続の開始によって確定的な権利となったのちも用いられることがある(たとえば,相続回復請求権。884条)ほか,広義では,配偶者や非嫡出子など一定の地位にある者が相続人となることができること一般を指すことばとしても用いられる(たとえば,配偶者相続権)。相続によって被相続人から相続人に移転すべき権利義務の総体を〈相続財産〉と呼ぶ。…

※「嫡出子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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