スパルテイン

化学辞典 第2版 「スパルテイン」の解説

スパルテイン
スパルテイン
sparteine

C15H26N2(234.38).マメ科エニシダCytisus scoparius,ウチワマメLupinus luteusAmmodendron conollyiなどに含まれる.多くのルピンアルカロイド母核の一つ.(-)-スパルテインは液体.沸点118 ℃(2.4 kPa).-17.0°(エタノール).pKa1 4.80,pKa2 11.96.1.5289.天然には,右旋性左旋性両方のスパルテインが存在する.

スパルテインには,ほかに2種類の立体異性体が存在可能であり,それぞれα-およびβ-イソスパルテインとよばれる.多くの四環性ルピンアルカロイドは,その還元方法に応じて,上記3種類のスパルテイン異性体のうちいずれか(あるいはその対称体)を生成する.強心剤として用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「スパルテイン」の意味・わかりやすい解説

スパルテイン

化学式はC15H26N2。マメ科植物エニシダなどに含まれるアルカロイド硫酸塩は白色結晶または結晶性粉末,無臭苦味で強心薬子宮収縮薬として用いる。
→関連項目止血薬

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世界大百科事典(旧版)内のスパルテインの言及

【エニシダ(金雀枝)】より

… またエニシダ属Cytisusは数十種以上がヨーロッパを中心に分化した属で,欧米での庭園花木として重視され,交配や選抜による品種改良が進められ,多くの園芸品種が育成されている。若枝・葉には強心作用をもつスパルテインsparteineが含まれ,有毒であるが,これを煎じて解熱剤に用いる。【大橋 広好】
[伝説]
 エニシダはラテン語でゲニスタgenistaと呼ばれる。…

※「スパルテイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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