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左旋性 させんせいlevorotatory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

左旋性
させんせい
levorotatory

光学活性物質,すなわち偏光面を回転する化合物のうち偏光面を左へ回転する物質を左旋性物質といい,その性質を左旋性という。化合物の左旋性を表わすには化合物の名称の前に l ,または-をつける。たとえば l -乳酸,または-乳酸と表記する。左旋性および右旋性の起る理由は,たとえばクーン模型によって説明される。すなわち直線偏光を右円偏光 (振動方向に垂直な面内で光の電場が右回り円振動をする) と左円偏光とに分けて考え,分子内の結合電子を振動子として扱う。分子内で左,右円偏光と振動子とが互いに作用する結果,振動子の振幅に変化が起る。右回り円偏光が強く作用して振動子の振幅に大きな変化を起す場合には,右回り偏光波は後退させられることとなり,左旋光が生じる。 W.クーンはこの考えをもとにして不斉炭素原子をもつ化合物の立体配置旋光性との関係を解明し,その絶対配置構造を決定した。

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栄養・生化学辞典の解説

左旋性

 結晶やその溶液に偏光が当たると物質によっては偏光面が回転する.このような物質を光学活性体といい,偏光面が左回りになるものを左旋性,右回りになるものを右旋性(dextrorotatory)という.有機化合物では不斉炭素原子をもつ物質に旋光性がある.天然のアミノ酸は左旋性,グルコースは右旋性.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典内の左旋性の言及

【旋光性】より

…他の光学活性の一つである円偏光二色性とクラマース=クローニヒの関係(クラマースの法則)で密接に関係づけられ,両者は互いに裏腹の関係にあるので,旋光性を光学活性と同義に用いることもある。進む光に向かって観測するとき,直線偏光の偏光面が旋光性物質(光学活性物質ともいう)を通過後に,右(時計の針の回る方向)に回る場合を右旋性dextrorotatory,左に回る場合を左旋性levorotatoryという。これは,(1)直線偏光が,右回りの右円偏光と左回りの左円偏光の和(重ね合せ)で表され,しかも(2)この二つの円偏光に対して旋光性物質の屈折率が異なるために起こると説明されている。…

※「左旋性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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