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指定管理者制度 していかんりしゃせいど

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知恵蔵2015の解説

指定管理者制度

2003年9月施行の地方自治法の一部改正によって、公の施設(スポーツ施設、都市公園、文化施設、社会福祉施設など)の管理方法が、管理委託制度から指定管理者制度に移行した。これまで公の施設の管理を外部に委ねる場合は、公共的団体(いわゆる外部団体)に限定されていたのを、民間事業者、NPO法人などにも可能にした。議会の議決を経て指定されれば、施設の使用許可や料金設定の権限が与えられたり、利用料を収入にすることもできる。サービス向上と経費節減を図るもので、06年9月までの移行を義務づけられていた。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

指定管理者制度

地方自治体が所管する公の施設について、管理、運営を民間事業会社を含む法人やその他の団体に、委託することができる制度。公の施設の管理、運営に民間等のノウハウを導入することで、効率化を目指す。指定管理者の指定は、自治体の長が条例で定め、使用許可を与える(ただし、道路法、河川法、学校教育法等、個別の法律において公の施設の管理主体が限定される場合には、指定管理者制度をとることはできない)。具体的には、地方自治体が公募し、民間企業等が企画提案方式で施設の運営に名乗りを上げる。自治体は、専門家による委員会等を設け、その企画提案を審査し、最適と思われる会社・団体に委託する。指定管理者制度は、いわば地方自治体が抱える外郭団体の民営化といえる。既存の運営主体は収支を改善し、民間企業と並ぶ競争力を持たなければ生き残れない岐路に立たされることになる。

(竹内文則 富士常葉大学教授 / 森岡英樹 金融ジャーナリスト パラゲイト・コンサルタンツシニア・リサーチ・アソシエイツ / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

指定管理者制度

公の施設の管理・運営を民間企業やNPO法人などにも認める制度。地方自治法改正で2003年に導入された。レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンスクラブ(CCC)が13年、佐賀県の武雄市図書館の運営に乗り出して話題に。全国の公立図書館約3200館のうち、14年度までに民間企業を指定管理者としたのは10%程度。

(2016-01-27 朝日新聞 朝刊 オピニオン1)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

していかんりしゃ‐せいど〔シテイクワンリシヤ‐〕【指定管理者制度】

体育館や図書館など地方公共団体が住民の福祉を増進する目的で設置した公の施設の管理運営を、地方公共団体が指定した民間事業者を含む法人・団体に行わせる制度。民間の活力を導入し自治体の経営改善を図る目的で、平成15年(2003)の地方自治法改正に伴い導入された。従来、公の施設の管理は地方公共団体第三セクターなど外郭団体に限定されていたが、この制度により、民間企業・NPO法人任意団体なども指定管理者として施設の管理運営を代行できるようになった。指定管理者は、条例に基づいて、施設の利用料金を収受・変更することができる。→ピー‐エフ‐アイ(PFI)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

指定管理者制度
していかんりしゃせいど

自治体が住民の福祉増進を目的として設置した施設(「公の施設」)を、民間事業者・団体等を指定して管理運営させる制度。従来、公の施設の管理は自治体の出資法人等に限定して委託することができたが、これを広く民間にも開放するため、2002年(平成14)7月の総合規制改革会議の中間とりまとめで、「官製市場の見直し」方策の一つとして取り上げられ、地方自治法(244条の2、244条の4)の改正を経て2003年9月から施行されている。それまでの管理委託制度との違いは、(1)管理委託団体との委託契約ではなく公法上の指定行為(行政処分)であること、(2)管理を行わせることのできる者の範囲が、「出資法人、公共団体、公共的団体」から「法人その他の団体」に拡大され、民間事業者も対象にされたこと、(3)管理行為が事実上の業務から、使用料金の収受、使用許可権限の行使なども付与することができるなど、実質総合的な管理・運営に広げられたことである。これら指定に係る詳細は条例で定め、管理者の指定について議会の議決を要することとされている。
 上の改正法の施行日から3年以内、すなわち2006年9月までに、管理委託している公の施設を直営化するか、または指定管理者制度への移行を行うことが求められた。自治体の裁量に任されたこの制度の設計および運用のあり方について、自治体は試行錯誤を余儀なくされた。その例としてあげられるのは、民法上の業務委託と異なり契約行為でないため、地方自治法の契約に関する規定(234条~234条の3)が適用されず、いかに指定手続の透明性を確保するかである。第2に、指定管理者の選定要件の設定である。これまでの管理委託制度のもとにおいては、多くの場合、自治体が設立した外郭団体等に業務委託してきた。このような外郭団体等との関係をいかに整理して新制度の趣旨に沿った運用を行うことができるかが問われている。第3に、指定管理者にどこまでの管理権限を与えるかである。具体的な業務範囲は条例で定めることになっており、施設の使用許可や、迷惑利用者に対する行為制限等(退去命令)を含めるかなどが問題である。第4に、指定期間についても条例に委ねられているため、施設の目的や使用形態などを考慮して、どれくらいの期間で指定の更新を行うかを設定しなければならない問題がある。
 この制度は、公共サービスの質を高めるとともに管理費用を低く抑えることもねらっているが、その両立の難しさもあって、指定管理者が辞退したり、事業者が破産するなどの問題事例も生じている。2009年4月時点で全国7万0022施設に導入され、うち約2万の施設で民間企業を指定している。一方指定の取消し、期間満了による指定の取りやめが、あわせて2100件に上っている。[辻山幸宣]
『三野靖著『指定管理者制度 自治体施設を条例で変える』(2005・公人社) ▽出井信夫編著『指定管理者制度』(2005・学陽書房) ▽成田頼明監修『指定管理者制度のすべて 制度詳解と実務の手引』改訂版(2009・第一法規)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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図書館情報学用語辞典の解説

指定管理者制度

地方公共団体が設置する文化施設などの公の施設の管理,運営を株式会社NPOを含む民間事業者に行わせることができる制度.指定管理者の指定は自治体の長が条例で定め,許可を与える.2003(平成15)年9月の改正「地方自治法」の施行により導入され,経過措置期間が終わる2006(平成18)年9月までに,管理委託制度により公共団体などに委託してきた公の施設について原則として指定管理者制度に移行することになった.民間事業者の創意工夫,効率的管理手法を活用することで,サービスの向上と行政コストの削減が期待されている.図書館の自由の保障,公平なサービスや運営の保障が求められる.近年PFIという新たな運営形態も出現している.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
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