精選版 日本国語大辞典 「軸受」の意味・読み・例文・類語
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回転軸を支える機械部品。ベアリングbearingともいう。回転あるいは揺動する軸を支え、軸に加わる荷重を受け、軸心を中心に回転、揺動するようにしてある。軸の回転に伴う摩擦のために発熱、摩耗があり、動力損失が生ずる。摩擦抵抗と摩耗を減少するために材質や形状をくふうし、また円滑な回転、揺動するために各種の潤滑剤が使用される。軸受に接触している軸の部分をジャーナルjournalというが、ジャーナルと軸受との接触状態により、軸受をすべり軸受(平(ひら)軸受)と、ころがり軸受とに大別することができる。また軸に加わる荷重の方向によりラジアル軸受とスラスト軸受に分けることもできる。
[中山秀太郎]
軸と軸受との接触面に潤滑剤を用いて滑り接触をしながら軸を支える軸受で、平軸受ともよばれる。互いに広い面で接触しているので軸が回転すると摩擦が多くなり、そのために発熱し、軸や軸受の温度が上昇する。あまり高温になると焼き付いて回転が不可能となる。これを防ぐために、軸と軸受との間に薄い空間をつくり、潤滑油をこの空間に入れて運転する。潤滑油は、くさび状のすきまに入り込み油圧を発生し、軸は油膜に浮かぶ流体摩擦状態となり、発熱を防止しながら回転する。互いに広い面で接触しているので大きな荷重にも耐えられる。もっとも簡単なものは、鋳物でつくったフレームに円形に穴をあけたものである。軸と接触する部分はあまり摩耗せず、そして軸になじみやすい材料でつくった軸受メタルを取り付けたものが多く使用されている。軸受メタルは摩耗すれば軸受本体から取り外し容易に交換できる。普通、ホワイトメタル、ケルメット、青銅、リン青銅などでつくられている。この軸受には、一体のものだけではなく、2個に分割されたものある。
以上のように、軸に対して荷重が直角方向に加わる軸受をラジアル軸受といい、軸方向に荷重の加わるものをスラスト軸受という。スラスト軸受は、軸の先端を軸受の底面で支える仕組みになっている。荷重を受ける面積が小さく軸が高速回転あるいは大荷重のときには発熱して、ぐあいが悪い。軸の径が小さく比較的小荷重のところに用いられるスラスト軸受を、ピボット軸受という。時計の歯車を支えるスラスト軸受は、摩擦を減らすために先端を細くしてある。
[中山秀太郎]
軸受の内輪と外輪の間に玉(ボール)やころといった転がり要素を入れたもので、すべり軸受より回転は軽快である。玉を入れたものを玉軸受(ボールベアリング)、ころを入れたものをころ軸受(ローラーベアリング)という。ボールやころは互いに接触しないように、保持器によって保持されている。内輪を回転する軸にはめ込み、外輪を外側の軸受用穴にはめ込むようになっている。荷重が回転軸に直角方向に加わるものをラジアル軸受といい、軸方向に加わるものをスラスト軸受という。ころ軸受は、玉軸受よりも接触面積が大きいので、大きい荷重に耐えることができる。また打撃力の大きい場合にも適している。玉やころが1列のものを単列形、2列のものを複列形という。
玉軸受は、高精度で、前述のように接触面積がきわめて小さく、摩擦損失が小さいので、広く用いられ、高精度・高速回転に適している。ころ軸受は、荷重がある程度大きいところに用いられ、円筒状のころが用いられている場合は、円筒ころ軸受とよぶ。また、ころの直径が比較的小さく、長さが直径に比べて長い針状のころが用いられている場合は、針状ころ軸受(ニードルベアリング)とよぶ。この軸受は、断面高さが小さく、他の軸受と比較して、小さなスペースで大きな荷重を支えることができる。
回転軸に垂直な荷重と回転軸方向の荷重とを同時に受ける軸には円錐(えんすい)形のころを使用した軸受が用いられる。これを円錐ころ軸受という。また円筒形の中央が膨らんだ、いわゆるビヤ樽(だる)形のころを使用した自動調心ころ軸受も使われている。これは使用中に多少軸がたわんでも、組立てが少々不備でも、回転中に軸受の中心が自動的に調節されるので便利である。
これらのころがり軸受の形状は国際的に統一されている。また精度についても規格があり、普通精度の0級から精度が高くなるにしたがい、6、5、4、2級が規定されている。
[中山秀太郎・清水伸二]
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…そこで方位の決定は日の出入りなど天体現象を利用するか,季節風のような一定の気象現象に基づいて行われた。古代地中海世界では生活に密着した各季節の風が,方位を知る目安に用いられ,今日でも方位を意味する英語はbearing(bearは〈生じる〉の意)といい,〈風の生まれるところ〉を原義とする。古代ギリシアでは東西南北を表す象徴に風神の姿を用い,各風神の性格をそれに対応する方位の特徴とも関連づけた。…
※「軸受」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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