ホワイトメタル(英語表記)white metal

翻訳|white metal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホワイトメタル」の意味・わかりやすい解説

ホワイトメタル
white metal

語義から白色合金と誤られやすいが,これは白色合金の一部で,鉛,スズ Sn,アンチモン Sb,亜鉛などの低融点金属を主体とする軸受合金である。このうちスズを 70%以上含む Sn-Sb-Cu系合金 (たとえば 90Sn-6Sb-4Cu) は 1850年頃アメリカの I.バビット発明バビットメタルといわれ,鋳造性,軸受性能とも最もすぐれている。しかしスズが高価なので一部を鉛その他で置き換えた品種が開発された (たとえば 6Sn-10Sb-84Pb) 。ホワイトメタルが軸受合金によい理由は,硬いβ相 SnSbが軟らかい共晶地に散在して回転軸を支え,共晶地がくぼんで油だまりになって潤滑をよくするからで,銅 Cu加調の場合は Cu2Sb ,Cu6Sn5 などの化合物ができ SnSbと同様に働く。銅のほかニッケル,ナトリウム,カルシウム,バリウムなどが添加されるものもある。

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