ズリーン(読み)ずりーん(英語表記)Zlín

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ズリーン」の意味・わかりやすい解説

ズリーン
ずりーん
Zlín

チェコモラビア地方南東部の工業都市。人口8万1459(2001)。1949年から90年までは、旧チェコスロバキア時代の大統領の名にちなんでゴットワルドフGottwaldovとよばれていた。バチャTomáš Bat'a(1876―1932)が1894年に始めた製靴工場で知られる。バチャは両世界大戦間期にアメリカをモデルに非熟練労働力を用いた大量生産方式を導入し、従業員に近代的な労働者住宅街を提供した。現在も世界最大規模の靴生産を誇る。ゴム精密機械皮革プラスチックの各工業が盛んである。靴生産の歴史に関する博物館がある。また、毎年5月には国際児童映画祭が行われる。

中田瑞穂

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ズリーン」の意味・わかりやすい解説

ズリーン
Zlín

チェコ東部,モラバ (モラビア) 地方東部の都市。ブルノの東約 80kmに位置する。 1900年には 2000人の村であったが,13年に T.バチャがここに靴工業を興してから急速に発展。現在も,靴製造に関連をもつ諸工業 (化学,機械,印刷など) を含む,大規模な靴工場があり,靴博物館や,皮革,ゴム,プラスチックなど靴製造に関する各種研究所がある。 1949~89年は,チェコスロバキアの大統領ゴットワルトにちなみ,ゴットワルドフ Gottwaldovと呼ばれたが,「ビロード革命直後から,それ以前の名ズリーンに改称された。人口8万 4634 (1991推計) 。

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