セダン(読み)せだん(英語表記)Sedan

共同通信ニュース用語解説 「セダン」の解説

セダン

乗用車形状の一つ。原則4ドア、2列シートで、荷物を積む空間(トランク)と人が乗る部分それぞれ独立しているのが特徴パトカーでおなじみだ。重心が低く走りが安定するが、搭載できる荷物が比較的少ない。長く乗用車を代表するボディータイプだったが、近年人気が低下した。語源は「腰かける」を意味するラテン語とされる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「セダン」の意味・わかりやすい解説

セダン
せだん
Sedan

フランス北東部、アルデンヌ県の都市。ベルギーとの国境に近く、ムーズ川に沿って位置する。スダンともいう。人口2万0548(1999)。「スダン」のほうが原音に近い。16世紀以来、毛織物羅紗(らしゃ)地の生産が盛ん。ほかに金属、機械工業も行われる。中世以来の都市で、ムーズ川右岸の高台に15~17世紀の城塞(じょうさい)が残る。

 15世紀初めに王領地を譲り得たラ・マルク家のもとで、いまも残る強固な大城塞が造営され、その周りに都市が発展した。毛織物業が栄え、また宗教改革のもとでカルバン派のアカデミーが設立され、プロテスタントの一つの牙城(がじょう)となった。17世紀なかばにリシュリューによって王領地に併合された。コルベールは王立織物作業場を建設し、毛織物業を奨励したが、1685年にナントの王令が廃止されると、プロテスタントの織工たちはカトリックの支配を恐れて外国に逃れ、毛織物業はしだいに衰退していった。その後、国境に近く軍事的要地ということもあって、ドイツとの戦争のたびごとにドイツ軍の攻撃にさらされた。ナポレオン1世の敗北後の1815年にはヘッセンの軍隊に占領され、1870年のプロイセン・フランス戦争では戦場と化した。第二次世界大戦では、ドイツ軍は1940年5月の「セダンの戦い」でフランスの防衛線を突破し、パリへの侵攻を勢いづけた。

[本池 立]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セダン」の意味・わかりやすい解説

セダン
sedan

乗用車の形式の一つ。アメリカ,日本ではセダン,イギリスではサルーン,ドイツではリムジーネ,フランスではベルリン,イタリアではベルリーナなどと呼ばれるが,最近はサルーンと呼ばれることが多い。固定式の屋根,仕切りのない前後2列の座席をもつ箱型自動車である。普通4~6人乗りで2ドア,4ドアがある。また,このような実用的乗用車を特にツーリングカーと呼称する場合がある。

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