セントトマス島(読み)セントトマスとう(その他表記)Saint Thomas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セントトマス島」の意味・わかりやすい解説

セントトマス島
セントトマスとう
Saint Thomas

西インド諸島東部,バージン諸島西部の島。プエルトリコの東約 60kmに位置する。アメリカ合衆国領バージン諸島の主島で,中部南岸に首都シャーロットアマリエがある。東西に長い火山島で,最高点 474m。1493年クリストファー・コロンブスが「発見」。1666年デンマークが占有したが,オランダ人,イギリス人も入植。1680年以降黒人奴隷の労働力によりカリブ海域有数の砂糖生産地となり,繁栄。その後領有変遷があったが,1917年セントジョン島セントクロイ島とともにアメリカ合衆国がデンマークから購入。住民の 80%は黒人。主産業は観光で,これにより住民 1人あたりの所得はカリブ海地域で最高となっている。面積 83km2人口 5万1634(2010)。

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改訂新版 世界大百科事典 「セントトマス島」の意味・わかりやすい解説

セント・トマス[島]
Saint Thomas

カリブ海東部にあるアメリカ合衆国領バージン諸島の三つの主島の一つ。面積73km2,人口5万1181(2000)。火山性で平たん地は少ない。1666年にデンマーク領となり,サトウキビ栽培が大々的に行われた。18世紀半ばにはアフリカからの奴隷貿易で繁栄したが,1848年の奴隷解放で衰微し,1917年アメリカ合衆国に売却された。第2次大戦後は観光産業が主要な比重を占めている。合衆国領バージン諸島の主都で天然の良港をもつシャーロット・アマリーCharlotte Amalie(人口1万1004。2000)は,帆船時代はヨーロッパからの最初の寄航地だった。また蒸気船時代は給炭地として繁栄したが,現在は合衆国領,イギリス領バージン諸島全体の商業中心地となっている。
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