センボンヤリ(読み)せんぼんやり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「センボンヤリ」の意味・わかりやすい解説

センボンヤリ
せんぼんやり / 千本槍
[学] Leibnitzia anandria (L.) Turcz.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。春と秋に、それぞれ異なる頭花をつける。春、白色の小さなタンポポに似た頭花が開き、花が閉じると裏側が淡い紫色を帯びているのでムラサキタンポポともよばれる。名のヤリは秋の閉じたままの頭花が30~60センチメートルの花茎の先に上向きにつくようすを槍(やり)に見立てたもので、センボンは群生するようすを表している。春型の花茎は短く、約10センチメートルである。山地丘陵地林縁に生え、北海道から九州および東アジア北部に広く分布する。

[小山博滋 2022年3月23日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「センボンヤリ」の意味・わかりやすい解説

センボンヤリ(千本槍)
センボンヤリ
Leibnitzia anandria

キク科の多年草で,東アジアの暖帯および温帯に広く分布する。日本全域の日当りのよい山地や丘陵地に生える。春と秋とで著しい2型を示す特徴がある。葉は根生し,春に生じる葉は小さく卵形で,下面に白いちぢれた毛があるが,夏から秋にかけての葉は大きく長さ 10~16cm,幅3~4cmとなり,倒楕円形羽状に切れ込む。春,高さ5~15cmの花茎を伸ばし,先に径 15mm内外の頭花をつける。頭花の周辺には少数の白色舌状花をつける。秋には高さ 30~60cmの花茎の先に,管状花だけから成る閉鎖花をつける。

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