ソルブ人(読み)ソルブじん(その他表記)Sorben[ドイツ]

改訂新版 世界大百科事典 「ソルブ人」の意味・わかりやすい解説

ソルブ人 (ソルブじん)
Sorben[ドイツ]

ドイツ東端のラウジッツ地方,ナイセ川とシュプレー川流域のコトブス県からドレスデン県にかけ居住する西スラブ族住民のこと。西スラブ系諸族で現存する唯一の少数民族でその数12万弱といわれる。5世紀ごろからザーレ川東部一帯に居住し,12世紀初頭にはシュプレー川下流地域に独自の王国を形成したが,その後強制的ゲルマン化によりドイツ人に同化吸収されていった。17~18世紀,オーバー・ラウジッツとコトブスでソルブ文章語(ソルブ語)が生まれた。これを中心に1847年以降ソルブ文化の再興が見られたが,71年ドイツ統一後同化を強制された。これに対し1912年ラウジッツ・ソルブ人同盟(ドモウィーナDomowina)を中心に民族的独自性擁護の運動が起こったが,ナチスのもとでは迫害をうけた。

 第2次大戦後,ラウジッツがソ連占領地域,のちの東ドイツに属したことが幸いして,同権と言語の公式使用などが認められ,ドモウィーナが民族的代表機関として活動してきた。宗教はプロテスタントおよびカトリックである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソルブ人」の意味・わかりやすい解説

ソルブ人
ソルブじん
Sorben; Sorbs

5世紀後半頃フン民族の没落後に移動を始めた西スラブ人一派。ゲルマン民族移動後に侵入し,エルベ川中流から上流域に定住。 10世紀初めドイツ王ハインリヒ1世は,スラブ人との境界地帯に盛んにブルク (城塞) を建設したが,ソルブ人はドイツ領主に従属せず,ただキリスト教に改宗し,みつぎ物だけを約束した。現在はポーランド国内に居住。

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世界大百科事典(旧版)内のソルブ人の言及

【バウツェン】より

…中世の市城壁を今に残し,バロック,ロココ様式の民家の建ち並ぶ旧市街はザクセン地方指折りの美しさと言われる。少数民族ソルブ人の中心地の一つで,ソルブ民族研究所,ドイツ・ソルブ劇場,ソルブ民族文化合同劇団がある。【下村 由一】。…

※「ソルブ人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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