ソンガイ族(読み)ソンガイぞく(英語表記)Songhai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソンガイ族」の意味・わかりやすい解説

ソンガイ族
ソンガイぞく
Songhai

マリ,ブルキナファソニジェールのニジェール川沿いに分布する民族。ソンライ族 Sonlai,ソンゴイ族 Songoiともいう。人口はおよそ 100万~200万と推定される。言語はソンガイ語。形質的には,ニグロイドコーカソイドの混血型を示す。社会は職業的な専門化と階層化が高度に発達し,貴族,平民,工芸職人,グリオという吟遊詩人,元奴隷などに分かれる。 11世紀初頭にイスラム化され,15世紀後半にはアスキア・ムハンマドを君主とした西アフリカ最強のソンガイ王国を築いた。その後モロッコトゥアレグ族バンバラ族フルベ族の侵略と支配を受けたが,1893年にフランス軍が占領した都トンブクトゥは,黄金の都として有名であった。家族は一夫多妻制で地域的な親族集団のまとまりはない。男子は 12歳前後で割礼を受け,年齢組に加わる。生業は農業が主で,牧畜漁業,工芸,交易も行なう。

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