日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソンガイ帝国」の意味・わかりやすい解説
ソンガイ帝国
そんがいていこく
15世紀後半から16世紀にかけて、西アフリカの内陸部サバナのニジェール川流域を中心に、広大な地域を支配していた、ソンガイSonghai人の当時の西アフリカ最大の帝国。12世紀から15世紀にかけて、ニジェール川湾曲部を中心に繁栄していたマリ帝国の支配下にあったソンガイ人は、マリ帝国の衰退とともに勢力を拡大した。15世紀後半、スンニ・アリの治政下の30年足らずの間に、ガオを本拠に、当時この地域の経済、文化の中心であったトンブクトゥ、ジェンネなどの諸都市を征服し支配下に治め、それによって強大な帝国を完成した。しかし16世紀末、サハラ砂漠を越えて到来したモロッコ軍との戦いに敗北し、それを契機に衰退に向かった。
[原口武彦]