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たし タシ

デジタル大辞泉の解説

たし[助動]

[助動][(たく)たから|たく・たかり|たし|たき|たけれ|○]《形容詞「いたし」の音変化という》動詞、および助動詞「る」「らる」「す」「さす」「しむ」の連用形に付く。
話し手の希望を表す。…たい。
「近う参って、見参(げんざん)にも入りたかりつれども」〈平家・一〇〉
話し手の他に対する希望や期待を表す。…てほしい。
「ありたきことは、まことしき文(ふみ)の道、作文、和歌、管絃の道」〈徒然・一〉
話し手以外の人の希望を表す。
「屋島へ帰りたくは、一門の中へ言ひ送って、三種の神器を都へ返し入れ奉れ」〈平家・一〇〉
[補説]「たし」は「まほし」に代わって、鎌倉時代に盛んに用いられたが、近世以降「たい」に引き継がれる。現代では「今月末までに上京されたし」といった文語調の文に用いられることもある。

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大辞林 第三版の解説

たし

( 助動 ) ( たから ・たく(たかり) ・たし ・たき ・たけれ ・○ )
〔希望の助動詞「たい」の古語形。中古の「まほし」に代わって中世以降用いられるようになった〕
活用形式は形容詞のク活用型。動詞およびそれと同じ活用型の助動詞の連用形に接続する。
話し手自身の希望を表す。 「若き弟子の器量の仁ありけるに、秘法をも伝授し、印信を許したく思ふに/沙石 2」 「敵にあうてこそ死にたけれ、悪所におちては死にたからず/平家 9
話し手以外の人の希望を表す。 「(オ前ガ)八島へ帰りたくは、一門の中へ言ひ送つて、三種の神器を都へ返し入れ奉れ/平家 10」 「(盛親僧都ハ)帰りたければ、ひとりつい立ちて行きけり/徒然 60」 → たい(助動)

たし

( 接尾 )

たし

( 連語 )
〔完了の助動詞「たり」の連用形「たり」に過去の助動詞「き」の連体形「し」の付いた「たりし」の音便の形「たっし」の促音無表記から。中世後期の抄物に用いられた〕
過去または完了の意を表す。…た。…てしまった。 「大義なつ-事ぞ/漢書抄 4」 「昔の呉の先太伯が弟を虞仲と云ひ-か/史記抄 9」 → たっし

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