タン・セン・ただしい・はし

普及版 字通 の解説


9画

[字音] タン・セン
[字訓] ただしい・はし

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
若い巫女が端然と坐する形。〔説文七下に「物初めて生ずるの題(はし)なり。上は生ずる形に象り、下は其の根に象るなり」とし、草木初生の象とする。字は而(じ)に従い、而は髪を(こん)にした巫女の正面形。上部は髪飾りをつけている形である。共感呪術として、巫祝の徒を(う)つことがあり、(微)・(徴)はその側身形に従う。は敵の呪詛を「微(な)くする」、は懲(こ)らす意。に従う字は、若い巫女の姿と解するとき、おおむねその声義を説くことができる。字形は、列国期の〔義楚(ぎそし)〕〔徐王(じよおうじ)〕の(し)()にみえる。

[訓義]
1. みこ、若いみこが端然として坐する形、ただしい。
2. はし、末端、はじめ、こぐち。
3. 専と通じ、もっぱら。

[古辞書の訓]
名義抄 シタミ 〔字鏡集〕 チヒサシ・スヱ

[部首]
〔説文〕〔玉〕に部首とするが、その部に属する字はない。〔玉〕に「廣に云ふ。は末なり、小なりと。今、端と爲す」とあり、端の初文とする。

[声系]
〔説文〕に声として瑞・喘・・端・揣など二十字を収める。端は巫祝がその位置(立)を占めて端然として坐する形。儀式を司会する聖職者の位置は、左上にあったと考えられる。ゆえに端緒・末端の意を生ずる。声の字には、おおむねの声義を含むようである。また〔説文〕に段をの省声とするが、段は鍛冶(たんや)の字で、とは何の関係もない。

[熟語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android