日本大百科全書(ニッポニカ) 「ダイダイイソカイメン」の意味・わかりやすい解説
ダイダイイソカイメン
だいだいいそかいめん / 橙磯海綿
[学] Halichondria japonica
海綿動物門尋常海綿綱イソカイメン科に属する海産動物。海岸の潮間帯中部から亜潮間帯にかけて岩の上や潮だまり(タイドプール)に生息する橙(だいだい)色の海綿で日本各地に普通にみられる。殻層状に薄く広がり煙突状の突起が発達することが多い。体は両端がとがった針状の骨片が不規則に配列してできている。一年中、海岸でみられるが、冬には海綿の大きさが縮小し、春に成長して大きくなる。体内にはドングリカイメンフジツボが共生することがある。九州や日本海沿岸には色彩がダイダイイソカイメンに非常によく似た同属のハリカンダリア・スルピカンダH. surrupicundaが分布するが、この種は骨片の中央部に膨らみがあるので識別できる。
[星野孝治]