海綿動物に特有で、胃腔(いこう)または鞭毛(べんもう)室の壁に並び、捕食や消化などを行う細胞をいう。細胞の上端(遊離端)には1本の鞭毛があり、鞭毛の基部を囲むようにして円筒状構造の襟が発達する。細胞群は鞭毛運動によって一定方向の水流を生じ、それとともに体内へ入ってきた藻や細菌を襟の表面でとらえて細胞内に取り込む。ある種の海産カイメンの襟細胞には、他の細胞よりもタンパク質や炭水化物などの消化酵素を多量に有するものがある。襟細胞は呼吸や排出の機能があるほかに、生殖細胞を生産し、精子の運搬にも関与する。なお、襟細胞はその形態が、群体を生じる原生動物の襟鞭毛虫類の1個体に著しく類似しているところから、海綿動物は鞭毛虫から進化したと考えられている。
[片島 亮]
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…体壁の厚いものは溝道がより複雑になっている。胃腔の内壁には1本の鞭毛をもった襟細胞choanocyteが密に並んでいて,鞭毛の運動によって水流を起こしたり,水と同時に入ってくる微細な食物をとらえる。そして余分な水は上端の口の大孔から出し,一定方向の循環が繰り返されている。…
※「襟細胞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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