チトニア(その他表記)Tithonia

精選版 日本国語大辞典 「チトニア」の意味・読み・例文・類語

チトニア

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] tithonia )[ 異表記 ] ティトニア キク科多年草。中央アメリカ原産。明治末年に渡来。観賞用に栽培される。茎は半低木状となる。葉は互生し有柄。葉身は卵形で先がとがり、鈍鋸歯がある。夏、枝の先端に径七~八センチメートルの頭花を一個ずつつける。頭花は単弁。周辺の舌状花は橙紅色。にとべぎく。

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改訂新版 世界大百科事典 「チトニア」の意味・わかりやすい解説

チトニア
Tithonia

メキシコから中央アメリカにかけて約10種ある丈の高いキク科の一年草。観賞用に利用されるチトニアは,それらのうちのメキシコヒマワリヒロハヒマワリT.rotundifolia Blake(英名Mexican sunflower)である。この野生系統は高さ2mをこえるが,栽培されるのはその改良種トーチTorchで,茎は直立し,高さ1mほど。葉は広卵形早咲きで,夏には粗く分枝して緋橙色のヒマワリに似た花を枝端に単生する。花径10cm,花弁(舌状花)は十数枚,裏面は黄色。花心は管状花で,黄色。種子には4稜があり,冠毛の変化した鋭いとげがある。インドでは,葉の液汁がマラリアの民間薬とされ,種子には約20%の油脂を含有する。種まきは4月。日当りと水はけのよい場所を選んで60cm間隔に直まきするが,移植にも耐えるので,ビニル鉢に苗を育てておき,定植してもよい。花期には倒れないように支柱を立てるとよい。花は花首が中空で折れやすいので,切花には向かないが,花心から針金を突き通せば一輪挿しや盛花に利用できる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チトニア」の意味・わかりやすい解説

チトニア
ちとにあ
titonia
[学] Tithonia rotundifolia Blake
Tithonia speciosa Hook.

キク科(APG分類:キク科)の半低木状草本。和名はヒロハヒマワリ。園芸上は一年草として扱う。高さ1メートルで早咲きに改良したものがよく栽培される。夏、一見一重咲きダリアに似た花をつける。花色は鮮やかな朱橙(しゅとう)色で、次々に開花し、夏花壇では人目を引く花である。花首が中空で折れやすいのが欠点で、切り花には向かない。古代インカ帝国の国花とされていたと伝えられ、メキシコヒマワリMexican sunflowerの名もある。繁殖は実生(みしょう)により、4月上旬に直播(じかま)きする。性質はじょうぶで栽培は容易である。

[山口美智子 2022年3月23日]

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