チャンチョンキム(英語表記)Tran Trong Kim

改訂新版 世界大百科事典 「チャンチョンキム」の意味・わかりやすい解説

チャン・チョン・キム
Tran Trong Kim
生没年:1883-1953

ベトナム教育者歴史家政治家。漢字名は陳重金。1910年代より42年までハノイの高校教員,北部視学官,小学校校長などを務める一方,《越南史略》《儒教》など,ベトナム史・文化研究の著作を続けた。45年3月,日本軍の三・九クーデタによりフランス権力が崩壊すると,バオダイ(保大)帝の依頼により,4月7日,独立ベトナム政府首相となった。紙幣発行権の獲得,自衛軍の設置,コーチシナ回復などに努力したが,日本軍の監督下に具体的な行政権を執行することができないまま,45年の八月革命によって8月25日に辞任し,政界から消えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チャンチョンキム」の意味・わかりやすい解説

チャン・チョン・キム
Trân Trong Kim

[生]1882. ユエ
[没]1953. ガラット
ベトナムの歴史家。第2次世界大戦中は,日本占領下のバオ・ダイ (保大)政権の首相であった。主著『ベトナム史略』 Viêt Nam Su Lichは,従来のベトナムの歴史書からはぬきんでた傑作として高く評価されている。 1969年首相当時とその前後の記録をまとめた遺稿『ある風塵見聞録』 Môt con gio bui-Kiên vân lucが世に出て大きな反響を呼んだ。

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20世紀西洋人名事典 「チャンチョンキム」の解説

チャン・チョン・キム
Tran Trong Kim


1883 - 1953
ベトナムの政治家,教育者,歴史家。
元・ベトナム首相。
漢字名陳重金。
1910年よりハノイの高校教員、北部視学官、小学校校長などを務める。’45年4月フランス権力の崩壊後、バオダイ帝の依頼により独立ベトナム政府首相となるが、8月革命により辞任。著作に「越南史略」「儒教」。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

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