日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツチオオカミ」の意味・わかりやすい解説
ツチオオカミ
つちおおかみ / 土狼
aardwolf
[学] Proteles cristatus
哺乳(ほにゅう)綱食肉目ハイエナ科の動物。アードウルフともいう。アフリカの東部と南部の草原に、単独か1対で穴居する。シマハイエナに似るがずっと小さく、吻(ふん)がとがり、尾が太く房状、指は前足に5本、後ろ足に4本ある。臼歯(きゅうし)が痕跡(こんせき)的で舌が長く、シロアリを主食とするが、他の昆虫、鳥の卵、トカゲなども食べる。体長65~80センチメートル、尾長20~30センチメートル、肩高45~50センチメートル、頸(くび)筋と背筋に長い毛のたてがみがあり、これを逆立て、体を大きくみせて敵を威嚇する。体は淡黄色から赤褐色、胴に数本の黒い横縞(よこじま)がある。夜行性。1腹2~4子、両親はなかば消化したシロアリを吐き出して離乳時の子に食べさせる。
[今泉吉典]