日本大百科全書(ニッポニカ) 「テトラクロロメタン」の意味・わかりやすい解説
テトラクロロメタン
てとらくろろめたん
tetrachloromethane
メタンCH4の水素原子4個を塩素で置換した化合物。通常四塩化炭素といい、このほうが普通に使われる。工業的には二硫化炭素に塩素を反応させてつくるが、メタンの塩素化も行われる。快香をもつ無色の液体。水に難溶。エタノール(エチルアルコール)から石油に至る多くの有機溶媒と任意の割合で混ざり合い、油脂類をよく溶かす。実験室で抽出用溶媒として用いられる。蒸気が重く不燃性なので消火剤として用いられたが、有毒なホスゲンCOCl2を生じるので、かわりにフルオロブロモメタンなどが使われる。フロンガスの製造原料となる。毒性が強く、蒸気を吸入したり皮膚吸収すると中毒をおこす。
[守永健一・中原勝儼]
[参照項目] |
| | [補完資料] |