テトラクロロメタン(読み)てとらくろろめたん(英語表記)tetrachloromethane

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テトラクロロメタン」の意味・わかりやすい解説

テトラクロロメタン
てとらくろろめたん
tetrachloromethane

メタンCH4の水素原子4個を塩素で置換した化合物。通常四塩化炭素といい、このほうが普通に使われる。工業的には二硫化炭素に塩素を反応させてつくるが、メタンの塩素化も行われる。快香をもつ無色液体。水に難溶。エタノールエチルアルコール)から石油に至る多くの有機溶媒と任意の割合で混ざり合い、油脂類をよく溶かす。実験室で抽出用溶媒として用いられる。蒸気が重く不燃性なので消火剤として用いられたが、有毒なホスゲンCOCl2を生じるので、かわりにフルオロブロモメタンなどが使われる。フロンガスの製造原料となる。毒性が強く、蒸気を吸入したり皮膚吸収すると中毒をおこす。

[守永健一・中原勝儼]


テトラクロロメタン(データノート)
てとらくろろめたんでーたのーと

テトラクロロメタン
  CCl4
 式量   153.8
 融点   22.9℃
 沸点   76.7℃
 比重   1.63195(測定温度20℃)
 屈折率  (n)1.46305
 溶解度  0.08g/100g(水20℃)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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