サトイモ科ディフェンバキア属(シロガスリソウ属)Dieffenbachiaは,熱帯アメリカに約30種が分布している。常緑多年草で,汁液を口にするとあくが強く,口もきけないほどの激しい疼痛(とうつう)が起こるところから,dumb caneとかmother-in-law plantの英名がある。生育が旺盛で,日陰でも耐えるので,観葉植物として多くの品種が栽培されている。寒さには弱く,冬も15℃以上が望ましい。夏の乾燥した冷房にも弱い。ディフェンバキア・マクラタD.maculata G.Donは大型種だが,葉がやや薄く,白黄色の不規則な斑点が入る。変異が多く,交配親にもなっている。ルドルフ・ロエルスcv.Rudolph Roehrsは葉のほとんど全面が淡黄白緑色になり美しいが,古くなると色あせる。ハワイ・スノーcv.Hawaii Snowは葉のほとんどが淡白黄色で,縁だけが緑色となる美葉種で,あまり大型にならず分枝性もよい。さらに小型で分枝性のよい品種にカミーラcv.Camilleがあり,鉢物として栽培が多い。エキゾティカcv.Exoticaも茎は細いがよく分枝して株立ち状となる小型種で,全体に白色の小斑が入る。ディフェンバキア・アモエナD.amoena Bull.は大型の強健種で,茎は太く,葉は長楕円形で,支脈の間に白黄色の小斑が入る。トロピック・スノーcv.Tropic Snowは葉も厚く小型で,白黄色の斑も幅広く鮮明で美しい。ディフェンバキア・エルステディイ・ウァリエガータD.oerstedii Schott.cv.Variegataは緑葉で,中肋と葉柄だけが白色となる。
執筆者:高林 成年
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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