細い(読み)ホソイ

デジタル大辞泉 「細い」の意味・読み・例文・類語

ほそ・い【細い】

[形][文]ほそ・し[ク]
棒状のものの径が小さい。周囲が小さい。また、肢体などがやせている。「めんが―・い」「首まわりが―・い」「―・い腕」⇔太い
線状のものの幅が小さい。幅が狭い。「道が―・くなる」「―・いけい」「―・い目」⇔太い
量が少なく、勢いが弱い。「ガスの炎を―・くする」「食が―・い」「乳の出が―・い」
声量が少ない。また、高く弱々しい声である。「―・い声で話す」⇔太い
気が小さい。また、繊細である。「神経が―・い」⇔太い
物事の規模が小さい。栄えていない。「商売が―・くなる」⇔太い
[派生]ほそさ[名]
[類語](1ひょろっと長身長躯のっぽ背高八頭身ひょろ長い・立っ端がある・ほっそりひょろひょろひょろり痩せる細るせ細るける痩せこける痩せさらばえるやつれる憔悴しょうすいする肉が落ちる痩身痩躯細身やせやせっぽちやせぎすスマートスリムか細いほそやか細細ほそぼそ細め極細細作り華奢きゃしゃ細める着やせげっそりすらりすらっとスレンダーソップ形がりがりぎすぎす痩せ枯れる痩せ衰える

こま・い【細い】

[形](多く西日本で)
形や量、数などが小さい。こまかい。
何歳いくつかい。何、十二、―・いな」〈蘆花思出の記
けちけちしている。お金に細かい。「金に―・いことをいう」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「細い」の意味・読み・例文・類語

ほそ・い【細】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ほそ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 長く延びるものの断面や幅が小さい。
    1. (イ) 立体的なものの、さしわたし・直径が小さい。肢体などがやせている。太くない。
      1. [初出の実例]「或は指繊長く、或は腹失(ホソシ)」(出典:大智度論天安二年点(858))
    2. (ロ) 平面的なものの、さしわたし・幅が狭い。広くない。
      1. [初出の実例]「青柳の 細(ほそき)眉根を 笑(ゑ)みまがり」(出典:万葉集(8C後)一九・四一九二)
  3. 体積が小さい。こまかい。小さい。
    1. [初出の実例]「至りて細(ホソイ)こと一の極微のごとし」(出典:成唯識論寛仁四年点(1020))
  4. 物の量、力などが少ない。かすかである。わずかである。
    1. (イ) 音声が小さい。騒音の少ない澄んだ感じの音色について用いることもある。
      1. [初出の実例]「灰変へて孔(あな)に為(な)りて、細(ホソキ)(おと)有り。鳴鏑(なるかぶら)の如し」(出典:日本書紀(720)天智即位前元年是歳(北野本訓))
    2. (ロ) 気体状・液体状のものが、量的に少なく、盛んでない。
      1. [初出の実例]「庭燎(にはび)の煙のほそくのぼりたるに」(出典:枕草子(10C終)一四二)
    3. (ハ) 一般に物事の程度が弱々しい。事業、運勢などが隆盛でない。
      1. [初出の実例]「このおとどいとやむごとなくおはしまししかど、御すゑほそくぞ」(出典:大鏡(12C前)三)
  5. 和歌連歌などで、作風・感受性が繊細である、発想や表現がこまやかでなだらかである。
    1. [初出の実例]「春夏は太く大きに、秋冬はほそくからび、恋旅は艷に優しくつかうまつれ」(出典:無名抄(1211頃))
  6. 射芸の語。張弓の弦と弓との間の距離が狭い。

細いの派生語

ほそ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

こま・い【細】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
  2. ものの大きさが小さい。年齢が少ない。こまかい。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「初さあはあの小(コ)まい身体に洋服を着ちょるぢゃらう」(出典:虻(1910)〈青木健作〉三)
  3. 度量がせまい。また、損得に抜け目がない。けちである。こまかい。
    1. [初出の実例]「なんせこまいさかい眼ェちらちらしてもた」(出典:初稿・エロ事師たち(1963)〈野坂昭如〉二)

細いの補助注記

「こまかい」より古く見られる形であるが、使用地域の限られた語か。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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