知恵蔵 の解説
デジタルトランスフォーメーション
デジタル技術は当初、業務の効率化を主目的とする「補助的な道具」として導入された。しかし、UberやAirbnb(DXの成功事例の代表)の登場が、旧来のタクシー、ホテル業界に大打撃を与え、人々の日常生活まで変えつつあるように、情報・通信サービス分野だけでなく、今やあらゆる産業・分野において、DXをベースにしたデジタル技術は、企業の存続や新しい価値創出に欠かせない「中核エンジン」になっている、とされる。
経済産業省も、DXの実現やその基盤となるITシステムの構築に力を入れており、18年5月に「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」を設置。9月には「DXレポート~ITシステム『2025年の壁』の克服とDXの本格的な展開~」という報告書を発表した。企業が老朽化・複雑化した既存のITシステムを刷新し、25年までに本格的なDXを断行しなければ、デジタル競争の敗者となり、25年以降に毎年最大12兆円(18年の3倍)の経済損失が生じる可能性がある、と強く警告している。
(大迫秀樹 フリー編集者/2019年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報