改訂新版 世界大百科事典 「デンパサル」の意味・わかりやすい解説
デンパサル
Denpasar
インドネシア,バリ島南部の肥沃な平野の中央に位置する都市。人口50万2873(2003)。バリ島観光の中心地で,南方15kmにはグラライ国際空港がある。かつてはバドゥン王国の首都で,同国が1906年,オランダ遠征軍に滅ぼされたとき,王の一族が戦死した場所が今の市の中心ププタン広場である。市の名は〈市場の北〉の意で,朝市の立つパサル・バドゥン(バドゥン市場)との位置的関係をあらわす。バリ博物館(1932設立)が著名であるが,その隣にあるプラ・ジャガトナタは島の守り神をまつる寺院で,満月の夜はにぎわう。伝統芸術が強く保存され,舞踊学校もある。市街の道路の交差点に立てられる悪霊よけのヒンドゥー神の石像もこの町の特色である。近年は華僑の居住が多い。
執筆者:別技 篤彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報