日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トロント・ドミニオン銀行
とろんとどみにおんぎんこう
Toronto-Dominion Bank
1955年にドミニオン銀行Dominion Bankとトロント銀行Bank of Torontoが合併して誕生したカナダの銀行。TDあるいはTD Bankとも称される。カナダでは総資産と株価時価で第2位の規模である。また全国規模で業務を展開。業務内容は金融サービス全般にわたる。カナダ国内で1000以上の支店、2000を超える自動振込支払機のネットワークをもつ。国外でも業務を展開しており、イギリス、日本、メキシコ、香港(ホンコン)、台湾、シンガポール、オーストラリアなど、北アメリカのほかに東南アジア地域を中心として業務を展開している。トロント・ドミニオン銀行はほかのカナダ国内大手銀行とは異なり、証券部門への進出に際して国内の大手証券会社の買収を行うことなく自社内で新たにトロント・ドミニオン証券を設立し、同社を通じてさまざまな証券業務を行っている。1997年には、アメリカの子会社であるウォーターハウス・インベスター・サービス社(1996年買収)が、アメリカの手形割引仲介業のケネディ・キャボット社の事業部門を買収している。さらに同社は、1998年4月にアメリカ国内で同じく手形割引仲介業のジャック・ホワイト社を買収し、アメリカにおける業務を積極的に拡大している。2007年の総資産高は4221億カナダドル、売上高は252億カナダドル、純利益は40億カナダドル。従業員数は5万1163人(2007)。
[芦澤成光]