ドロバチ(読み)どろばち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドロバチ」の意味・わかりやすい解説

ドロバチ
どろばち / 泥蜂

昆虫綱膜翅(まくし)目ドロバチ科のオディネルス属Odynerusやリンキウム属Rhynchiumその他数属のカリバチの総称。巣をつくるのに多かれ少なかれ泥の練り土を用いるのでドロバチの名がある。スズバチトックリバチ広義のドロバチである。多くの種類が竹筒を泥で仕切り幼虫室(独房)を直列させる。ハムシドロバチ属Symmorphusはハムシやゾウムシの幼虫を狩るが、ほかはすべてアオムシを狩る。オオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatum micadoや小さなチビドロバチStenodynerus frauenfeldiは日本にもっとも普通にみられる。

[平嶋義宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドロバチ」の意味・わかりやすい解説

ドロバチ
mason wasp

膜翅目ドロバチ科の昆虫のうち,土で壺形の巣をつくるトックリバチ類以外の種をいう。ドロバチ科 Eumenidaeはスズメバチ科 Vespidaeの亜科として扱われることもあるが,すべて孤独性の狩人蜂で,雌は鱗翅類の幼虫を捕えて育房にたくわえ,幼虫の餌とする。巣は既存の孔を利用するものが多いが,外国には地中坑道を掘るものもある。日本に産するものは竹筒を利用するものが多く,唾液で土を溶かしてその泥で壁をつくって仕切り,幼虫の育房にする。小型種には草屋根のわら筒や材中に穿孔された甲虫孔を利用するものが多い。トックリバチ類と同様に卵は細い糸で育房の天井からつるす。日本に 15種ほどが知られている。

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